人生を生きていると気にしないように努めても気にしてしまう事や悩みが誰しもあるものです。

その悩みが軽いものであれば良いのですが、重く、ストレスを強く感じるものが慢性的にあると本人の苦痛は非常に強くなってしまいます。

自分の中でなかなかうまく扱えない時に少しでも役に立つ情報を得られるように書いていきたいと思います。

気にしないようにしても気になってしまう悩み


気にしないようにしていても気になってしまう問題や悩みを抱えている場合どのようにすれば良いのでしょうか?

自分としては「気になるという純粋な気持ち」と「気にしないようにしている意図的な気持ち」が拮抗し、やはり「気になる」という状況が優っていることが多いと思います。

その内容は人それぞれ多種多様に有り、

●仕事の悩み
●人間関係の悩み
●失敗することに対する悩み
●人の言動に関する悩み
●理解されない悩み
●うまくいかないことに対する悩み
●家族や家庭環境の悩み
●恋愛に関する悩み
●症状の発現に関する悩み
●相手がどう思っているのかわからない悩み
●自分がどう思われているか気になる
●人生と今後に感じる悩み
●コンプレックスに関する悩み
●気にしては良くない、ダメだと言われているものが気になる
●過去の出来事から頭が離れない悩み
●気にしすぎる性格
●周りの目が気になる、嫌われる怖さ、落ち込みやすさなどの特徴によるもの

など多くあるものです。

気にしないようにしていくと気にならなくなるものもあれば、しっかり気にして腑に落ちるところまでいくと気にならなくなるものもあれば、誰かに相談して何らかの満足を感じると気にならなくものもあれば、直接本人に言う、話すことによってようやく気にならなくなるものもあるでしょう。

その方策も人それぞれ、特にその「ご本人のある程度の納得性」を得られるものでなければ難しいことも多いかもしれません。

「気にする」と一言で言っても気にするレベルも人それぞれ、そんなことで悩んでいるの?と人に言われても本人からすると気になることなど山のように有り、そのように言っている人でも実はそんなことで悩んでいたんだということも多くあります。

性格的特徴によって気にしてしまう場合


性格的特徴によって「気になる」レベル強くなり、気にしないようにしても気になることがあります。

それは

●人の目が気になる
●嫌われる怖さが強い
●恥ずかしい羞恥心が強い
●直接不満や言いたいことが言えない
●細かいことが気になる
●家系的に気にしすぎる性格がある
●完璧主義や完全でいたい欲求が強い
●人から非難される、なにか言われる(いじめや悪口含む)のを恐れる
●考えるのが好き、考えすぎてしまう
●相手に伝えるのが上手ではない
●問題を起こしたくない気持ちが強い
●落ち込みやすい
●不完全な自分を認められない
●トラウマや嫌な出来事によってその傾向が強くなった
●不安感や心配しやすさ

などがあるかもしれません。

生まれつきの場合もあれば、後天的な経験によって強くなってきたものもあるかもしれません。

新たな行動習慣や心理的なアプローチで変化・改善することもできる領域ではあるものの、なかなか染み付いた癖や個性によって苦しんでしまうことも多くあります。

一般的には「気にしすぎる性格」といわれる中に上記のような要因が重なって強くなっている場合も多くあります。

そういった自分の状況を多角的に知り、理解することによって道が開けることもあります。

気にするからダメなんだと言われている状況の場合


気になってしまう自分を家族や周囲の人、医師などの医療関係者から

「気にするからダメなんだ」
「その性格がダメなんだ」
「気にするから良くないんだ」

などの言葉により傷つき、苦しんでしまうことがあります。

その言葉によってより深く自分の心の中にひきこもり、心を閉ざしてしまうこともあります。

またその発言により「気にしてしまう自分」を責めて、自己批判の嵐の中で一人孤独に苦しむこともあります。

また「気にしない」人たちに反感を持ち、より気にする方向性へ強く進んでしまうこともあります。

実際に気にしたほうが良いこともあれば気にしないほうが良いこともありますが、なによりその自分を理解して欲しかったという欲求が満たされず、悩み続けることもあります。

そのような場合、理解される、理解するというところからスタートしたほうが良いこともあります。

ほかの人は気にしないのに自分は気にしてしまう状況


人それぞれ個性があり、どこが気になるか?どこにフォーカスがいくか?は人それぞれです。

ほかの人と比べていくとより一層悩みが深くなってしまう傾向があるのもこの悩みの特徴です。

「なんで自分は。。。」という言葉がよく出る場合は、そのような比較がある場合が少なくないと思います。

自分の本意(本心)を大切にすることも大切な時があるかもしれません。

自分を責めてしまう状況


気にし過ぎてしまう自分を責めてしまう、自己批判をしてしまうことでより大きな悩みになり、ストレスの負荷も強くなる傾向があります。

それが慢性的であれば非常に強いストレスを毎日自分に課してしまいます。

それをやめたくても止まらないということもあり、非常につらい状況にいらっしゃる方もいます。

まずは自分の悩みの傾向を知ることから始めて、こういう流れ、こうなってくると終わっていくなという全体像を観ていくことで傾向と対策に気づきを得ることが出来るかもしれません。

相手を責めたくなる状況


相手に対して不満を持ち、その気持ちを解消できずにいるケースも多いかもしれません。

直接不満や意見を言えないというケースもあれば、言っても仕方がないことや言うことによって問題を大きくしてしまう場合もあるでしょう。

そういった場合、どうすれば自分の気持ちが落ち着くのか?納得するのか?を知っていくことが鍵になるかもしれません。

相手に言えない場合、その自分を責める二重苦、三重苦になることもあり、どうにもならない状況になってしまうこともあります。

そういった場合、誰かに相談する、カウンセリングを活用するなど第三者を活用することも大事です。

反芻(はんすう)を知る


「反芻(英語:rumination)」とは、今の状況や過去の出来事を何度も繰り返し考える思考や疑念を指します。

無意識的に沸き上がってくることが多く、湧き上がってきては意識的に思考し、さまざまな情報と関連付けを行い、その影響を増長してしまうことも少なくありません。

意識的に繰り返し考え続けることを「反芻思考」と言ったりします。

反芻は「抑うつ状態」と関連が深くあります。

抑うつ状態とは、気分が落ち込んだり憂鬱で、意欲が低下した状態のことを指します。一般的には、鬱々(うつうつ)とする、鬱っぽさなどを表す言葉です。

抑うつ的反芻(英語:depressive rumination)は、自分の抑うつ状態に陥った原因などに対して「なんでこうなったのだろう」と消極的に考え続けてしまうことです。

そのような状態が継続的に続くと抑うつ状態を慢性的に持続させ、悪化させることもあることが研究などから明らかになっています。

■自己注目の「省察」と「反芻」
自分に注意を向けている状態を「自己注目」といいますが、その自己注目には「省察」と「反芻」があります。
省察(せいさつ)とは、自分自身をかえりみて、その善し悪しを考えることを意味します。
ポジティブな内省や自己注目を「省察」、ネガティブな内省や自己注目を「反芻」と捉える考え方もあります。

反芻には、「考え込み型」と「気晴らし型」があります。

問題を解決・改善するための「考え込み」や気持ちの軽減を目的とした「気晴らし」であればいいのですが、問題を自分の至らないところへと結びつけ、自責することで必要以上に自分の価値を低下させ、自信を失い、抑うつ状態へと発展させてしまう反芻には注意が必要です。

建設的で肯定的(ポジティブ)な方向へ向かっていくための反芻であればいいのですが、破滅的で否定的(ネガティブ)な方向へ向かっていく反芻には注意が必要です。

こういう反芻で自分の悩みが肥大化しているのだと理解することが必要な方もいるでしょう。

より「反芻」の詳しい内容はこちらをご覧ください。

「反芻(はんすう)・抑うつ的反芻」とカウンセリング

自分の納得したい落としどころがみつからない


悩みや気になることには多くの場合、自分の「納得できる落としどころ」があることが多いものです。

それは

●なぜこうなったのか?というところがわかると納得できる
●原因や要因が理解できると納得できる
●感情や気持ちの整理・消化ができたら納得できる
●相手に言える、伝えることができれば納得できる
●相手が理解してくれると納得できる
●相手が変わってくれると納得できる
●相手が自分と同じように苦しんでくれると納得できる
●自分が本当はそういう人間ではないとわかってもらえると納得できる
●わからないところがわかると納得できる
●人に話してスッキリできると納得できる
●助けてくれたり、配慮してくれる納得できる
●謝ってくれると納得できる
●なぜこんなに気になるのかがわかると納得できる
●自分の本心に気づけると納得できる
●症状や性格が治ると納得できる
●過去の出来事を清算できると納得できる

など人それぞれの落としどころと納得領域があると思います。

ご自身の気になることの落としどころと納得できるポイントはどうでしょうか?

気にしてしまう時にできること


まずできることとして、

「気にしてしまう自分の理由」と「気にしないようにしている自分の理由」を知ることでしょう。

気にしないようにしている自分は意識的なので理解できていることが多いかもしれませんが、それでも気にしてしまう自分の理由はなかなか見えないこともあります。

嫌な気分であったり、不快、怒りなど感情的なものもあれば、「本当は~」という本心が奥の方にあったりするかもしれません。

そういう理由を見つかる場合は一度探してみるのもいいかもしれません。

またその時にその悩みは、

①解決できるもの
②時間をかければ解決できる可能性がある
③悩んでも解決できないもの
④忘れたほうが良いもの
⑤自分の力では難しそうなもの
⑥人に相談したほうが良いもの
⑦人の力が必要そうなもの
⑧改善は出来ても解決はできないもの

という点を吟味してみるのも重要かもしれません。

解決できない悩みをずっと悩んでいることもあるときがありますし、その悩みを解決・改善する上で何が必要か知るきっかけになることもあり、悩まないほうが得策な場合もあるかもしれません。

しっかりと明確にすることで良い方向へ行く場合もあれば、うやむやさとともに忘却の彼方に向かっていくほうが良い場合もあります。

気にしないようにするための処世術としては、

●もっと気になることを気にする(つくる)
●うまく踏ん切りや区切りをつける
●何かに集中していつの間にか忘れる方向へ行く
●仕事や学業、主婦業に集中する
●考える時間を作らないように一日を設計する
●意図的に気にして、悩み抜く
●気にする時間と気にしない時間をつくる
●人に相談する(ストレス・コーピング)
●ストレス発散や気晴らしをする
●心や頭よりも体と筋肉を使う

などが考えられます。

気にしてしまう自分やその悩みについてこの機会に向き合い、自分にとって最善の落としどころや終着点を探していきたい、この機会に向上させたいという場合、カウンセリングを活用して自分のために行っていく方は次もご覧下さい。

気にしてしまう、気になってしまう時に行うカウンセリング


カウンセリングしらいしでは、「気にしないようにしても気にしてしまう悩み」や「気にし過ぎる自分に対する悩み」に関してのカウンセリングを行っております。

多くの場合、まずは相談されるクライエントの話を聞きながら、その方が持つ重要なポイントを話しながら探していきます。

理解と尊重する姿勢で受容されながら話していく機会というのもカウンセリングならではと思います。

話しながらスッキリされる方もいれば、本心が出てくることによって大きな気づきが出たり、実際に行動したい欲求があったり、人それぞれの思いがでます。

それはいままで生きてきた重要な気持ちや感情とつながっていることも多くあります。

そういった思いを大切にしながらカウンセリングはクライエントのペースで進んでいきます。

原因や要因が明らかになった時に安堵したり、そんなに責める必要のなかった事柄に遭遇したりすることもクライエントにとって重要であることもあります。

「気になる性格」に関する場合は、特にその原因や要因に納得性があることにより、今後の性格に影響を与えることも多くあります。

気にする自分という人間を受け入れて欲しかったという根源的な欲求があることもあります。

気にしてしまう内容より気にしてしまう自分に対する非難とストレスが非常に強い場合もあり、そこに光がもたらされることによって悩みの全体量も軽くなることがあります。

慢性的な拮抗状態や自分の中での葛藤が強いケースで疲弊している場合は、その苦しみを癒す時間も必要になったります。

今後に活きてくるセッションを心がけ、その相談されるクライエントにとって最善のカウンセリングになりますよう伴走していきたいと思います。

ご相談は下記よりお願い申し上げます。

最後までお読みいただき、有難うございます。


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記事監修
公認心理師 白石

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