「なんでこんなに自分だけつらいんだ」「なんで自分だけこんなに不幸なんだ」「なんで自分だけこんなにダメなんだ」と思うことがあります。

特に不幸の連続や不遇な出来事に遭遇した時にそのような気持ちや思いが浮かんでくることがあります。

一時的には誰でも思うことでもあるかもしれませんが、長期にわたってこのような思いや気持ちが持続している場合、どのようにそのこころを理解し、扱えばいいのか、カウンセリングの有用性、などについて考えていきたいと思います。

「なんで自分だけ」と思う時とは?


「なんで自分だけ」と思う時にはどのような状況が起きているのでしょうか?

人によって出来事や状況は様々ではありますが、

・うまくいかないことが続く
・度重なる失敗
・同じ失敗やミスをしてしまう
・不遇な出来事への遭遇
・不幸な出来事が起こる
・努力が報われないことが連続する
・報酬が報われないことが多い
・コントロールできないことが続く
・思い通りいかないことが重なる
・運の悪いことが続いている
・大きな病気やなかなか治らない症状を患う
・死に直結する出来事

などの状況によって想起されやすくなります。

「なんで自分は。。。」という言葉には、「他の人は〇〇なのに」という言葉が見えない形で連結されやすく、自分と他人との比較によって生まれやすくなります。

ですので、

・他者の幸運
・他者の恵まれた環境や状況
・他者の楽な状態
・他者の健康

といった他人の状態との比較からの影響も受けているのかもしれません。

「なんで自分は。。。」という気持ちや思いが強かったり、持続的に感じている場合、当人にとって心の負担は重く、非常につらく苦しい状況になっています。

このような状態を「被害者意識が強い状態」「拗ねている(すねている)」として直ちに改善・改心するべしといった内容で説明されている場合もあります。

たしかに被害者意識が強かったり、拗ねている心理状態があれば、なかなか本人の本領が発揮されにくくなり、新たな不遇な出来事を作りかねないということもあります。

そうなれば負のスパイラルのようになってしまうこともあるかもしれません。

当人にとってそれができれば良いのですが、なかなかできない場合もあったり、そのように無理して改善・改心しようとして苦しむこともあります。

またそのような意見によって自分の立場や状況を無視された感覚になって非常にストレスになってしまうこともあります。

人にはそれぞれの立場と状況があります。

「なんで自分は。。。」と思う時、自分にとってそのような思いや気持ちが出るには必ず理由や背景があるのです。

なかなかそのような状態から脱することができない時、「そういう気持ちや思いが出るのも仕方がないな」と思える要因を見つけていくことも大切です。

出来事によっては、時間の経過とともに風化していくことの方が良いと思えることもあります。

「なんで自分だけ」と思う時の扱い方


人によって、出来事によって、状況によって異なりますが、

・すぐに切り替える
・今やることに集中する
・改善や改心する

といった方法で乗り越えられるものであれば、それで良いでしょう。

それらができない時にどうするかという点がこの記事では大事なところです。

「なんで」という言葉が出る時に多く関連しているのが「受け入れられない」「理解できない」という状況です。

起きた出来事や不遇が受け入れられない(理解できない)、他者との比較によって受け入れられない(理解できない)、自分の至らなさが受け入れられない(理解できない)といった状態があることが多いかもしれません。

そこで受け入れられればいいのですが、受け入れられない場合、時間をかけて受け入れていくことも大切です。

時間というものは思っているよりも奥深いもので、ただ時間が過ぎるだけではなく、色々な出来事に遭遇し、いろいろな影響を受けて中和していくような働きもあります。

時間による風化は、「忘れる」という基本的な働きも大きな役割を担っています。

時間によって感情や気持ちが薄らぎ、見えなかったものが見えるようになり、理解が進むことも期待できます。

また「受け入れられない自分を受け入れる」という方法もありますが、詳しくはカウンセリング内で行なっています。

乗り越え方や扱い方は意外と他人と比較しています。(比較されてきたことも多いかもしれません)

「なんで自分はこんなに切り替えられないんだろう」「なんでこんなに落ち込んでしまうのんだろう」「なんで自分は終わったことをこうも考えてしまうんだろう」というようにまた「なんで」という形で自責や自己批判してしまうという「なんで地獄」に陥ってしまうこともあります

人によって乗り越え方や扱い方にもある程度「個性」があっても良いのではないでしょうか。

そのように自分の乗り越え方や扱い方を肯定して建設的に扱っていくことも有用です。

「なんで自分だけ」という思いや気持ちは、確かに他者との比較がありますが、だからといって比較する自分が悪いということは安直すぎるかもしれません。

なぜそのような思いや気持ちになるかといった理由や背景がしっかりと理解できたり、納得できると「まあそう思うもんだな」と思えるようになります。

そのようなプロセスを経て、心の中でぎゅっと掴んでいたところが「ふわっと」柔らかくなったりします。

そして自然に「受け入れ」が行われていったりします。

カウンセリングではそのような流れを大切にしています。

「なんで自分だけ」という時に行うカウンセリング


ご相談されるクライエントには、

・どのような思いや気持ちがあるのか?
・その理由や背景
・どのようにしていきたいのか?

によってカウンセリングの目的や内容が決まっていきます。

ですので同じ状況の方でも山の登り方が違ったり、ゴール地点がそもそも異なっていたりします。

そういった違いがありながらも気持ちや思いを自分のペースで話しながら受け入れられ、共感され、理解されることが大切な場合が多くあります。

また自分のこころのなかで理解しようとする動きと他者に話をしてアウトプットをして理解する動きには、言葉で説明し難い違いがあります。

自己理解のためにカウンセリングを行う方もおられるのは、そのような理由があるからだと思います。

特に大切なのが上述した「理解できない」「受け入れられない」という点です。

そのわからなかった理由や納得できなかった点が理解できることによって「だからこんなに苦しかったんだ」と受け入れることができるようになります。

しかし一部事例では、理解も受け入れもできない状況もあります。

そういった場合には、「理解できない、受け入れられない」という状態も丸々包んでいくような温かさが重要になります。

そういったことも踏まえてカウンセラーと協同して目的地に向かっていきます。

人によって行う内容は異なりますが、

・気持ちや感情の整理
・気持ちや感情を癒す
・気づきを得る
・受け入れる
・自分が見えてないところを見つける
・捉え方を理解した上で修正や変容を行う
・納得できるための理解や知識
・自分のどこを改善すればいいかを見極める
・うまくいく方法の模索
・協力者や周囲の資源を活用する
・心理学以外のアプローチ

などさまざまな方法を考え、クライエントに最適な流れで行なっていきます。

「被害者意識」や「拗ね」というところもクライエントによっては大切であることもあります。

その状態になっていることを否定的に捉えるのではなく、「そういう時はそうなるものだ」という肯定的な捉え方を行うことも大切かもしれません。

ここにもその理由や背景がありますので、丁寧に見ていけば最適な着地点が見つかっていきます。

カウンセリングでは、必要に応じて認知行動療法(CBT)、精神力動論的アプローチ、システム論的アプローチ、その他心理療法も組み込んで行うこともあります。


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記事監修
公認心理師 白石

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