人生を歩んでいると時として、「なんで自分はこんなダメな性格なんだ」と悩むことがあります。

何かしらの問題が起きた原因の所在が自分の性格にあると思うときにそれはよく起こります。

そういったときにどのように捉え、対処すればいいのか?そもそも性格とは何か?カウンセリングの有用性とともに考えていきたいと思います。

「なんで自分はこんなダメな性格なんだ」と悩むとき


「なんで自分はこんなダメな性格なんだ」と悩んだり、思ったりすることは多くの人が経験していることが多いと思います。

自分そのものの性格でそのまま社会や人間関係で何も問題なく、適応できる人の方が少ないかもしれません。

なぜなら自分とは性格が違う人たちと共に暮らし、社会を形成しているからです。

ですので年齢がたつにつれ、経験とともに適応的な振る舞いを覚えていきます。

学校での自分、職場での自分、お客様の前での自分、好きな人の前での自分、嫌われたくない人の前での自分、あの人の前での自分、あそこの場所での自分というように。

この能力は社会人的なスキルとしてとても重要になります。

しかし人間はロボットではないので、いつもこの適応的な振る舞いができなくなることもあります。

自分の性格によって問題が起きたり、問題を大きくすることもあり、そこで悩んでしまうこともあります。

その性格を変えたくてもなかなか変わらなかったり、抑えても抑えきれなかったりすることもあります。

そういうことが続けば続くほど悩みは深くなってしまいます。

自分を責めたり、他者を責めたり、社会を責めたりすることもあるかもしれません。

そういった時期に自分の性格についてどのように理解をし、捉え、変えていくのか?どのように活用していくか?を考える良い機会となるようにこの記事を書いております。

このような思いや悩みが出る時期は、たくさんある自分の性格的特徴の中でその悪いと思っている性格的側面が強調されることが多くあります。

それだけをフォーカスしてしまうものです。

そのため「なんて自分はダメなんだ」という全体的なくくりへと拡大し、強調し、認識してしまうのです。

これが非常に苦痛で、人によってはそこから自責や自己批判をし、他の悪いところもくっつけて「ダメな自分」を証明するかのように考えが巡ってしまうこともあります。

繰り返しそのような考えが巡ってしまうことを専門用語で「反芻(はんすう)」といったりします。

性格とは何か?


「性格」を辞書で調べると、

 行動のしかたに現れる、その人に固有の感情・意志の傾向。「ほがらかな性格」「夫婦の性格が合わない」
 特定の事物にきわだってみられる傾向。「二つの問題は性格が異なる」「趣味的性格の濃い団体」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

とあります。

その人の持つ固有の感情や意志、反応など心理的・行動的な特徴を表すものとして私たちは認識しています。

「性格は変わらない」と言われるように遺伝子的な要素を多く含みますが、同じ両親から生まれても同じ性格ではないことも多くあります。

遺伝として受け継がれる性格的特徴もあれば、その人固有の個性を持つことも多く、のちの人生での影響も多く受けます。

そのため「性格」にはまだまでわかっていないことも多いものです。

心理学などでは、生まれつきの性格については「気質」と表現されます。

なかなか性格が変わらないと言われている所の多くがこの気質であることが多いと思います。

しかし考えてみてください。

幼児期のあなたと今のあなたは同じ性格でしょうか?

思春期と同じでしょうか?

調子が良かったあの時と調子が最悪だったときは同じでしょうか?

おそらく完全に同じ方はいないでしょう。

大きく変化している人もいれば、小さな変化のみの方もいるでしょう。

大きく変化しているところもあれば、あまり変化していないところもあるでしょう。

どの性格的特徴をどのように使い、どう育むかで性格の変化に影響を与えているように思います。

性格は変わらないという側面もあれば、性格は変わるという側面もあります。

変わるのか?変わらないのか?というこの2択での議論が行われることがありますが、実際はもっと複雑なように感じます。

変えようと思っても変わらない性格もあれば、変わる性格もあります。

変えようと思わなければ変わらないものも多くあります。

使い方によって変わってくる性格もあります。

活かし方次第で最悪の性格が素晴らしい個性と魅力で輝き出すこともあります。

別にそこまで悪い性格ではないのに悪い性格だと自分を罵り、批判し、その性格を本当に悪いものに仕立て上げることもできます。

周りがダメ出しするので悪い性格だとより強く強調していることもあります。

精神的ショックを味わって性格的特徴が変わることもあります。

奇跡的な幸運によって性格的特徴が変わることもあります。

心理的に向き合い、性格的特徴が変わることもあります。

人生経験によって性格的特徴が変わることもあります。

年齢によって性格的特徴が変わることもあります。

役割や地位などによって性格的特徴が変わることもあります。

成功や失敗によって性格的特徴が変わることもあります。

体が元気になると性格的特徴が変わることもあります。

目標や目的ができると性格的特徴が変わることもあります。

仕事によって性格的特徴が変わることもあります。

やりがいや生き甲斐によって性格的特徴が変わることもあります。

自分の意識の向け方で性格的特徴が変わることもあります。

自分の性格への理解によって性格的特徴が変わることもあります。

このように多くの要素が複雑に絡み合っているように思います。

性格的特徴という言葉にしたのは、性格とは様々な複雑な要素を含み、変わるところと変わらないところがあるためです。

長年の伝統から「よくない性格は変えなければいけない」という暗黙の努力が私たちの根底にあるかもしれません。

努力で変えれるものはいいかもしれませんが、急に変えようとしてかえって多くの苦痛と被害をもたらすこともあります。

そういったときに理解と新たな捉え方、活用の仕方、新たな振る舞いをしていくことによってより良い人生が歩めたり、活用の連続によって変化してくるものもあるかもしれません。

カウンセリングの有用性


カウンセリングは相談するクライエントだけに特化して話を進めることができます。

クライエントの抱えている問題や悩みが軽減、改善、解決に至るように設計し、ともに協力しながら進めていくことができます。

「なんて自分はダメな性格なんだ」と感じるとき、そこには当人が感じる理由があります。

実際、社会や人間関係に適応しやすい性格をお持ちの方もいれば、適応しにくい性格をお持ちの方もいます。

そういったクライエントの苦痛や苦労への理解がとても重要になります。

そのクライエントの気持ちを汲み取り、大切にしながら目的地に到達できるように進めていきます。

ダメな性格は本当にダメなのか?も検討することがあります。

その性格をダメだと思っているその認識がダメにしていることもあったりまします。

誰もその性格を優しく包んであげられなかったことが原因であったりすることもあります。

また自分に適した場所や職場、相手ではないこともあるかもしれません。

その性格が適応できる場所があれば、魅力に変わるからです。

逆にその性格を利用してうまく活用することで活路が見出されることもあります。

しかし、その性格をある程度変える必要があることもあるかもしれません。

その時は、専門的な心理的アプローチを用いて、ゆっくり持続的に行なっていくことが重要です。

人間には神経可塑性という機能が備わっています。

持続的に長期に渡って使っていくことで新たな神経ネットワークが形成されます。その機能を活用する方法です。

新たな自分の振る舞いを行なってもすぐに戻ってしまうのもこのような可塑性の影響を受けている可能性があります。

少しずつ変化を作り、持続的に用いることで神経ネットワークや性格への影響も変化してくることが多いように感じます。

それには当人の意志が重要になります。

また性格に執着して、手をぎゅっと掴んで離さないことが問題になっていることもありました。

「まあどうでもいいか」という認識になって変化してくることもあります。

本当にアプローチは人によりけりで、一概にこれがいいというものはありません。

そのクライエントの意志や認識によって個性的に進めることができるのがカウンセリングの良いところです。

自分一人で悩んだり、考えたりしている中では見つけられなかった活路がみつかるのもアウトプットを行い、自分の外に出すことができるからかもしれません。

またこのような相談の事例を多く持っていることも参考になるかもしれません。

自分には思っているよりも多くの活用できる資源があることも知る機会になることがあります。

ダメだと思っているものも資源になることがあります。


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記事監修
公認心理師 白石

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