「ストレスを感じると息苦しくなる」「ストレスが溜まると息苦しさがひどくなる」「息苦しさ自体がストレスになっている」などストレスに関係する息苦しさで悩まされることがあります。

お薬などでの治療で良くなることは理想的ですが、ストレス性独自の難しさがある場合があります。

「ストレス性の息苦しさ」に対しての理解とカウンセリングの有用性についてここでは説明していきたいと思います。

「息苦しさ」とは


息苦しさ(英語:difficulty breathing)とは、息がしづらい、呼吸が浅い、胸が詰まった感じがするなどのように通常時の呼吸と比べて呼吸がしにくく、時に苦しさを伴う状態を表す一般的な言葉です。

呼吸もしくは呼吸に関わる人体機能の何らかの障害により、酸素と二酸化炭素のガス交換が障害されている状態で「呼吸困難」の症状の一つとされています。

医学的には、動脈血酸素分圧(PaO2)60Torr以下の状態であると「呼吸不全」と判断されます。

息苦しさは心臓がバクバクする動悸の症状を伴って出ることもあります。

肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心臓の疾患などでも起こることがあるため念のため病院での検査や診断が推奨されます。

しかしストレスによって起こることも多いため、検査を行っても物理的な異常がみつからないこともあります。

そのため何が原因だろうと悩み、困ってしまうこともあります。

息苦しさには、動悸以外にも

・だるさや倦怠感
・抑うつ状態(うつうつとする気分)
・やる気が出ない
・パニック
・喉のつまりや違和感
・寒気がする
・普段通り話すことが難しい
・呼吸とともにゼイゼイ・ヒューヒューと音が出る
・身体機能の低下

などの症状を伴う場合があります。

息苦しさに関係する病気


息苦しさを感じる病気として

・パニック症候群
・過換気症候群(極度の不安や緊張による)
・自律神経失調症
・貧血
・肺炎
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・気管支炎・喘息
・気胸
・狭心症や心筋梗塞
・心不全
・アナフィラキシーショック
・低血糖症
・高血圧症
・不整脈

などがあります。

また更年期や妊娠など、女性ホルモンの影響によって「息苦しさ」を感じることもあります。

食物としては、カフェインやアルコール、タバコ、麻薬などの摂取によっても「息苦しさ」を感じることもあります。

ストレスによる息苦しさ


「心因性呼吸困難」という言葉があるほどストレスや心理的な影響と関係が深くあります。

※心因性とは、心理的な要因によって引き起こされる場合に用いられる言葉です。

それほどストレスや心の悩みや問題が深く関わっています。

ストレスを自覚している場合もあれば、医師の「原因はストレスでしょう」といった言葉で認識するようになる場合もあります。

※自覚的にストレス性だと思っても念のため医師による診断や検査を行うことを推奨します。

臨床相談の実例から、ストレスを感じてすぐに「息苦しさ」が出る方と少し時間をおいて「息苦しさ」が出る方がいるようです。

また対象の誰かと同じ空間にいると「息苦しさ」が出たり、対象の場所に行くと「息苦しさ」が出たりすることもあるようです。(行く前から「息苦しさ」がでることもあります)

ストレスがなくなると「息苦しさ」もなくなるケースもあれば、ストレスがなくなっても「息苦しさ」が治らないケースがあります。

前者であれば問題もないのですが、後者の場合、何が原因かわからない不安やどうすれば治るかわからないつらさを伴います。

その場合、後述する「神経可塑性(シナプス可塑性)」などによって学習が繰り返され、「癖(くせ)」になってしまっていることや過敏性、身体注目による影響の可能性があります。(詳しくはカウンセリング内で)

作用機序などまだわかっていないところが多い前提でどのようなメカニズムによって「ストレスによる息苦しさ」が起きてしまうのかを考察していきます。

自律神経失調モデル

一般的によく説明されているのがこの「自律神経失調モデル」です。

精神的ストレスによって自律神経のバランスが失調し、

・肺の弾性への影響
・呼吸に関わる筋肉が動きにくくなる
・身体機能の低下

などによって息苦しさが誘発されてしまう可能性があります。

自律神経が整ってくると回復していく「息苦しさ」がこのモデルに該当すると思われます。

ストレスや囚われがなくなることによって改善しやすい傾向があります。

緊張モデル

ストレスや無意識的な力み(りきみ)などによって自分でも気づいていない緊張によって発現してくる「息苦しさ」のモデルです。

リラックスできない、安心できない、気が抜けないなどの状況で起こりやすいかもしれません。

悲しみや落ち込む気分によって呼吸に関係する筋肉の動きが悪くなることもあります。

リラックスしたり、緩めたり、ほぐしたりすることも効果がありますが、ストレスの処理や気分の落ち込みなどを改善していくことが大切です。

その場合、心理療法やカウンセリングが有効です。

感覚過敏モデル

息苦しさをくり返し、息苦しさに関係している神経などが過敏になってしまうことにより発現してしまうモデルです。

その背景には、トラウマや恐怖条件付けなどが関連している可能性があります。

過敏性が穏やかになり本来の鈍感性を取り戻すことにより変容するタイプの「息苦しさ」がこのモデルに該当すると思われます。

学習-神経可塑性(シナプス可塑性)モデル

神経やシナプスは、くり返し長期にわたって使用することによりその神経(シナプス)を強化したり、新たな神経を形成する可塑性(かそせい)という仕組みがあります。

息苦しさにつながる条件付け学習などによってこのように神経の形成や強化が行われ、発現してしまうモデルです。

長期的に原因不明の「息苦しさ」に悩まされている場合、このアプローチが経験的に功を奏すことが多くありました。(エビデンスレベルは個人レベルですので低いです)

既存の学習を強化しないようにすることを基本として、消去する、新たな学習で再構築することによって改善するタイプの「息苦しさ」がこのモデルに該当すると思われます。

恐怖-不安-傷つきモデル

恐怖や不安が強ければ自律神経も乱れやすく、感覚を研ぎ澄まして身構える必要があるため「過敏」になりやすくなる傾向が有るように思います。

息ができなくなることが怖い「呼吸困難恐怖」、息ができなくなることに不安を感じる「呼吸困難不安」、息苦しさに対して強い感情が現れる場合、自律神経が乱れやすくなり、長期化してしまう傾向があります。

また精神的ショックな出来事によって精神的に傷つき、恐怖や不安が出やすくなることがあります。

恐怖や不安、傷つきに対してアプローチを行い、それら感情が軽減すると改善がみられる「息苦しさ」がこのモデルに該当します。

身体化モデル

抑圧された衝動や葛藤、不安、ストレスなどが様々な身体症状となって表れる適応・防衛機制のことを「身体化」といいます。

人間には欲求が満たされない場合や心理的苦痛から自我を適応させたり、守るための働きがあります。

そのことを心理学では「適応機制」とか「防衛機制」といいます。

身体化は以下のようにさまざまな捉え方ができます。

  • 抑圧された衝動や葛藤、不安、ストレスの身体化
  • 相手にストレスを抱えていることを示すための身体化
  • 助けて欲しいという抑圧を表現する身体化
  • もう限界なのに限界と思えない自分に対しての身体化
  • 休む必要があるのに休まないことによる訴えとしての身体化

などのように自分や周囲の状況によってこのような捉え方が役に立つことがあります。

認知的評価と性格的傾向モデル

「認知」とは対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程です。

ものごとの考え方や捉え方、信念、バイアス(偏り)などの認知によりストレスが大きく感じたり、小さく感じたりするものです。

また性格的傾向もストレスや緊張と関係が深いものです。

性格的傾向を「性格」という言葉にしていないのは、変化する性格もあれば、変化しない性格もあり、またそれには個人差もあるため境界線を引きにくい傾向があります。

またストレスを強めてしまう解釈や捉え方にもアプローチを行うことも大切です。

このような認知的評価と性格的傾向が変化したり、成長することで「息苦しさ」が軽減、改善する場合、このモデルの影響があったということです。

個人による差異

上記のような7つのモデルが単体もしくは複雑に絡み合って発現している可能性があります。

これらは、ストレス性の息苦しさに対するカウンセリングと心理療法を多く行ってきた経験から考察を行いました。

人それぞれ気になるところや背景などが異なっており、一概にひとくくりにできないような傾向があるように感じます。

「ストレス性の息苦しさ」に対するカウンセリング


病院やクリニックに通い、主治医がいらっしゃるケースではカウンセリングを行うこと、併用することを主治医に伝え、許可を得てはじめてカウンセリングを行うことができますのでご了承ください。

ストレスに関係する、連動する息苦しさに対するカウンセリングでは、どのような息苦しさがどれくらいの頻度や強さで発現するか、どのようにして悪化し、どのようにして改善するか、どのようなことが悪影響や好影響をあたえているかどうかを改めて理解していく必要性があります。

息苦しさの臨床相談の経験では、ショックや落ち込み、自分の力が発揮できない、自分の価値を感じられない状況に関係していることが多くありました。(エビデンスのレベルは臨床経験ですので低いかもしれません)

感情としては、「悲しみ」との関連が多くあるように思います。

東洋医学では、「怒りは肝臓や筋肉を痛め、悲しみは肺と胃腸を痛める」という考えがあります。

昔の人は体感的にそのように理解していたのだと思います。

もしそのような状況がありましたら、落ち込みの改善、力が発揮できように、自分の価値を感じられる方向へ向かっていくことがクライエントにとって有益な効果を得られます。

そんなに簡単ではないこともありますが、地道に続けていくことで変化が見えていきます。

専門的な心理アプローチがありますので直接お聞きください。

ストレスという言葉は、幅広く捉えることができ、自分の中で何がストレスになっているか実は気づいていない場合もあったりします。

そういった点を踏まえながら、クライエントのストレスになっている事柄についてカウンセリングを行っていきます。

ストレス性の強い事柄もあれば、ストレスを強くしてしまう性格的傾向や認知的評価をしている場合もあります。

そういった特性もクライエントの意志次第で修正も成長も行うことができます。

カウンセリングは、クライエントが自分のペースで話しながらカウンセラーは受容的・共感的にお話を聞いていきます。

話すということは基本的な欲求でありながら、好きなように話せるという機会は一般的に少なく、通常は制約があります。

そのような制約の少ない、秘匿性の高い守られた場所で話していく様はなかなか経験できるものではありません。

自分の中で処理しにくい問題でもそのような場で、共感的・受容的な態度に見守られながら話していくことで気づきが生まれたり、言葉に出して初めて外に出すような経験を通してすっきりしたり、気持ちが楽になっていったりします。

出来事などのストレスだけではなく、息苦しさ自体がストレスになっていることもあり、「息苦しさ⇒ストレス⇒自律神経の乱れや無意識的緊張⇒息苦しさ」といった悪循環が起こっている場合も少なくありません。

そのためストレスだけではなく、症状自体のストレスも含めて「心的苦痛」や「つらさ」にスポットを当ててカウンセリングを行う場合もあります。

慢性化している場合はなおさら「つらい」ものです。

クライエントの状況から上記に挙げた

・自律神経
・緊張
・感覚過敏
・学習-神経可塑性(シナプス可塑性)
・恐怖-不安-傷つき
・身体化
・認知的評価と性格的傾向

に対してアプローチを行っていきます。

上記の7つのモデルを理解していくことによって、原因がわからない苦しみが癒されたり、希望が持てるようになることもあります。

少しずつ気持ちが楽になり、息苦しさも自然に改善が進んでくるとさらに気持ちが軽くなり、自律神経にも身体にも好影響を与えます。

「なんであんなに悩まされていたんだろう」という状態へ持っていけるように一歩ずつ丁寧に進めていきます。

学習性の癖になっている場合は、「焦り」が禁物です。

「まだ治ってない」「まだ治ってない」と毎度のように刷り込んでいくようなことが起きないように気をつけなければなりません。

どのように焦りを扱うか、どのように改善していくは人によって異なることもあり、カウンセリングの中でクライエントに最適化していきます。

ストレスの耐性(抵抗力)や回復力、対処能力(コーピング能力)を向上させることにより「ストレスに強くなる」といった成長を加える事ができるのもカウンセリングならではかもしれません。

そのような自己成長につながると、カウンセリング終了後の人生において大きな心的財産をつくることに繋がります。

なによりあの息苦しさやストレスに悩まされない毎日が過ごせますように大切にカウンセリングを行っていきます。


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