合理主義哲学などで有名な哲学者でありながら心理学的にも学ぶことが多いルネ・デカルトの提唱する「心身二元論」と「情念」についてここでは書いていきたいと思います。

ルネ・デカルトとは?


ルネ・デカルト(参照:心理学大辞典)

ルネ・デカルト(仏語:René Descartes)は、フランスで生まれた17世紀の有名な哲学者です。(数学者でもあります)

デカルトが生まれた後、早くに母を亡くし、健康上の問題を抱えながらも学問と考察を続け、「人間論」「人間身体の記述」「情念論」などを著しました。

体が弱く、低血圧であったため早起きが苦手だったようですが、ベッドで勉学に努め、成績の優秀さや優れた考察などの能力と評価を得ていきました。

不条理さや苦しみを抱えながらも自分の特徴を活かしていく姿は多くの偉人に共通することが多いですね。

彼の哲学は、一般に信じられている先入観に疑いを持ち、真理を追求するというスタンスが特徴的です。

少しでも疑いが残れば、疑いがなくなるまで疑うという徹底ぶりだったようです。

「我思う、故に我あり」という有名な言葉以外にも彼が残した言葉として、

疑いは知の始まりである。

ルネ・デカルト

不決断こそ最大の害悪

ルネ・デカルト

人の考えを本当に理解するには、彼らの言葉ではなく、彼らの行動に注意を払え。

ルネ・デカルト

難問は、それを解くのに適切かつ必要なところまで分割せよ。

ルネ・デカルト

などを残しています。

哲学的な真理の探究を熟考してきたからこその深みのある言葉のように感じます。

デカルトの「心身二元論」


古代ギリシャでは、魂や精神を重視し、人が死ぬと魂は神々のもとに帰るという考えが一般的になり、このような哲学が宗教思想と結びついて西洋の思想的な中核が形成されていきました。

2世紀にはガレノスによって「人格の気質的四分類(四気質論」としてその考えが結びつけられましたが、17世紀のデカルトは心身の分離強調した「心身二元論」を提唱しました。

デカルトの心身二元論では、

心:魂は脳の松果腺に存在する
身体:神経系の中を巡っている運動の原因「動物精気」で動く機械

と考えました。

動物精気とは、「きわめて微細な息、あるいはむしろきわめ て純粋で活気のある炎のようなもので、絶えず豊富に心臓から脳へのぼり、そこから神経を通って筋肉に入っていき、肢体のあらゆる部分に運動をあたえる」とデカルトは言います。

体を動かすには、神経内に動物精気を行き渡らせることで身体をコントロールするということです。

そのためには「意志」が必要で、意志が精気として筋肉を動かすと考えました。

デカルトは当初、「人間は精神や魂が主体であり、身体はその機械である」といった考えを持っていましたが、研究と探究によって「精神と身体の合一」が大切であると提唱している考えが変化していきます。

このような「心身の分離」と「心身の合一」を提唱したデカルトですが、心身の健康には、情念をうまくコントロールし、支配することが大切だと考えていくようになります。

デカルトの考える「情念」


情念とは、「精神の知覚または感覚または感動であって、特に精神自身に関係づけられ、かつ精気のある運動によってひき起こされ、維持され、強められるところのもの」とデカルトは定義しました。

その情念の種類は、

・驚き
・愛
・憎しみ
・欲望
・喜び
・悲しみ

の6つであると考えました。

情念はほかの感覚と区別しにくく、「悲しみの情念とからだの痛みの感覚」「くすぐったさと喜びの情念」など混同しやすい特性があると言っています。

これは面白い視点かもしれません。

私たちが感じているのは、精神的な感覚か?身体的な感覚か?という基本的な感覚に疑いを持つという視点について考えさせられます。

よりよく生きるためには、情念の誤りや偏り、過度になることを避け、うまく支配することが大切だとデカルトは言います。

私の本質である「考える私」には自由意志があり、その自由意志をうまく扱い、情念をうまくコントロールすることで心身の健康へつながると考えるに至りました。

おわりに


こころとからだの相関関係は、科学的研究により明らかになってきていることが増えた現代においてもまだまだわかっていないところも多くあります。

デカルトのような先人の推論によって、私たちは理解と視野の枠を広げて、物事を考えれるようになりました。

意志が自由であるからこそ、素晴らしく自由な思考を行うことができる反面、その自由さがあるが故に苦しむことも多くあります。

どのように考えるか?どのように情念を扱うか?どのように動くか?どの方向性に行くか?どう改めるか?私たちの意志によってこころもからだも影響を大きく受けます。

デカルトから個人的に感じたことは、私たちが持つ意志の大切さ、情念をうまく扱うことの重要性を改めて考えさせられました。

心や魂が一番大切であるとしながらも身体も重要だと変化していく様もデカルトの人間らしさに共鳴するところも個人的にはありました。

皆さんはどのように感じたでしょうか。

参考文献

デカルトの心身問題について 北野真由美
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか著


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