ローマ帝国時代のギリシャの医学者であり、哲学者であるガレノスの提唱した人格の類型化した「気質的四分類(四気質説)」についてこの記事では書いていきたいと思います。

ガレノスについて


ガレノス(参照:心理学大図鑑)

ガレノスは、ラテン語ではクラウディウス・ガレヌス (Claudius Galenus)とも呼ばれ、129年頃〜200年頃の人物で、裕福な建築家の父を持ち、教育と見聞を広める機会を多く持ちました。

ガレノスはローマに居を定め、剣闘士の治療を行いながら医術について500冊以上の著作を著しました。

彼の研究や提唱したものはより探求がされる中世まで学ばれ、ヒポクラテスのギリシャ以来の医学を集成し、ルネサンスにまで伝える役割をしたと評価されています。

また20世紀に活躍した心理学者ハンス・アイゼンクによる人格モデルの提唱は、この気質的四類型が基になっています。

科学的というよりは、直感的、スピリチュアル的な捉え方が強いため、医学というよりは西洋の占いや性格診断のルーツになっている要素が強いかもしれませんが、学ぶべき要素もあるかもしれません。

人格の気質的四類型(四気質説)


医学の祖とも呼ばれるギリシアの学者ヒポクラテスなどの「あらゆる事象は地・水・火・風の4つのエレメントでできている」という四大元素(四体液論)を土台とし、身体に流れる体液の特徴と組み合わせた「気質論」を提唱しました

気質とは、性格の中の基礎となっている遺伝的・体質的な要素のことを一般的には表します。

もう少しわかりやすく言えば、生まれつき持っている性格的な個性と言えると思います。

西洋医学に四体液説(四気質論)があるように東洋医学には陰陽五行説があることも有名で、その由来はどちらも古代インドにあるという説もあります。

四大元素とは、

・地(冷たく乾いている)
・水(冷たくて湿っている)
・火(熱くて乾いている)
・風(暖かく湿っている)

の四つのことを指します。

体液である気質には、

・多血質
・粘液質
・胆汁質
・黒胆汁質(憂うつ質)

があります。

この体液のどれか一つが増加・減少するとそれに対応する人格類型が支配的になる」という考え方が特徴です。

これらの体液が私たちの感情や心、気質にも影響し、気質の問題は体液の不均衡から起こると考えます。

要するに体液の均衡を回復することで心身の問題を治癒していくことができると考えて治療をしていたということです。

多血質

元素は風(暖かく湿っている)で、友好的、活動的、楽天的、自信家、利己的、気が移ろいやすい特徴がある。

◼️当時の治療例
利己的な人は多血質として血液量を減らすために食事を減らしたり、瀉血(血を取る)という治療を行っていたようです。


粘液質

元素は水(冷たくて湿っている)で、冷静、非活発的、穏やか、内気、理性的、ぶれない、粘り強いなどの特徴があります。


胆汁質(黄胆汁質)

元素は火(熱くて乾いている)で、短気、情動反応が強い、精力的、情熱的な特徴があります。


黒胆汁質(憂うつ質)

元素は地(冷たく乾いている)で、悲哀、取り越し苦労、不安、抑うつ的、詩的、芸術的な特徴があります。

プネウマと四気質論


プネウマ (pneuma) とは風や空気、息を意味し、ギリシア哲学では生命エネルギーや存在の原理と解釈されていました。

ガレノスは、精気であるプネウマが肉体を操っていると考え、四体液とプネウマの双方ともに大切であると考えていました。

これは「気が病むと臓器の気が滞る」といったような東洋医学の五臓六腑と気血水の考え方と非常に近いものがあるかもしれません。

おわりに


人間や性格、体質を分析、診断、分類していく試みは、古今東西多くあります。

偏りがあることに気づき、その偏りをなくしていくことにより治癒、解決、バランスが整うという考え方は今でも参考になることも多いのではないでしょうか。

また体の一部だけでなく、心身として全体を捉えるホリスティックな視点も学ぶところが多いかもしれません。

体を治療して、精神状態も変わることがあります。

精神状態が変わって、体も変化することがあります。

少しでも参考になれば幸いです。

参考文献
マルシリオ・フィチーノの健康論 伊藤和行
心理学大図鑑 キャサリン・コーリン ほか著

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