過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。
ここではアーヴィング・ゴフマン「印象操作と人格」について書いていきたいと思います。
アーヴィング・ゴフマンについて
アーヴィング・ゴフマン(Erving Goffman)は1922年カナダのアルバータ州マンヴィルのウクライナ系ユダヤ人家庭に生まれます。※お姉さんは有名なテレビタレントとして活躍されています。
トロント大学で社会学と人類学の学位を取得し、シカゴ大学で社会学の修士号と博士号を取得します。
エジンバラ大学にて社会人類学の研究を行ったのち、国立精神衛生研究所、聖エリザベス病院を経て、カリフォルニア大学の教授として務められます。
プライベートでは最初の妻が精神病を患い、自殺する悲劇に遭遇し、その経験をもとに「場所の神聖性」を著します。
1982年にはアメリカ社会学協会の会長に任命されましたが、その数ヶ月後に胃がんでお亡くなりになられました。
再婚した妻との間で生まれた娘は社会学者として活躍されています。
主著には、
1959年「行為と演技ー日常生活における自己呈示」
1961年「アサライムー施設被収容者の日常の世界」
1971年「公的な関係」
1974年「フレーム分析」
などがあります。
印象操作と人格
ゴフマンは、自分についての「好ましい印象」を生み出そうとしている印象操作に着目しました。
それはまるで演劇のようで、「公的人格である表舞台」と「私的人格である裏舞台」があるといいます。
そのため人格(パーソナリティ)とはその表と裏を含めた様々な総和としてみることが正しいということです。
ゴフマンは表舞台である公的な関わりを「社会的相互行為」と呼び、その関わりの中の秩序やモラル、雰囲気を「相互行為秩序」と命名しました。
私たちが言う「自分」にはこのような社会的に使っている「公的な自分」とプライベートで自然と出る「自然な自分」の二つを含んだ様々な自分がいると言うことを改めて気づかせてもらえる提言です。
いつのまにか自分のよくないところだけをピックアップしたり、局所的な捉え方をついついしがちなこともありますので参考になるかもしれません。
最後にゴフマンの名言を一つ紹介します。
人生とは劇的に演じられるものだ
アーヴィング・ゴフマン
参考文献
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか
記事監修
公認心理師 白石
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