過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。

ここではヴォルフガング・ケーラーと「本能による洞察学習」について書いていきたいと思います。

ヴォルフガング・ケーラー


ヴォルフガング・ケーラー(Wolfgang Köhler)

ヴォルフガング・ケーラー(Wolfgang Köhler)は、エストニア出身のドイツの心理学者です。

生まれは1887年にエストニアで生まれ、彼が誕生してすぐに祖国のドイツに戻ります。

ベルリン大学で博士号を取得し、クルト・コフカやマックス・ヴェルトハイマーらとともにフランクフルト・アカデミーにて知覚の実験に関わり、ゲシュタルト心理学の土台を築きます。

1913年にはテネリフェ島の類人猿研究所の所長となり、類人猿が試行錯誤に拠らない「洞察学習」を行うことを発見します。

心理研究所の所長も務めましたが、ナチスの支配から逃れるべく、アメリカへ亡命します。

1929年には「ブーバ・キキ効果」を報告しています。

アメリカでは大学で教壇に立ち、アメリカ心理学協会の会長にも選任されました。

主著には、

1917年「類人猿の知恵試験」
1929年「ゲシュタルト心理学」
1938年「事実の世界における価値の位置」

などがあります。

本能による洞察学習


この時代の心理学といえば、行動主義と精神分析でした。

行動主義では、ソーンダイクが動物は「刺激ー反応」の条件付けを通して、行動による試行錯誤を行い学習に至ると提唱していました。

しかしケーラーの研究によると「洞察による学習」が行われることが確認されます。

それは類人猿研究所の所長時代にチンパンジーが手の届かないところにある餌を捕食できるかどうかの研究をしていた時の発見でした。

最初はうまくいかない猿はフラストレーションが溜まっている様子でしたが、頭で考える認知的な試行錯誤から解決策を導き出しました。

行動主義では報酬に対する反応という関係性で捉えていますが、ケーラーは問題を「知覚するために学習をする」という力動的モデルを提唱します。

それは受動的ではなく、能動的なもので、私たちの「本能」であると結論づけました。

解決に必要なのは、努力よりひらめきだ

ヴォルフガング・ケーラー(Wolfgang Köhler)

ブーバ・キキ効果


ブーバ・キキ効果

この図形を見てみてください。

どちらがブーバで、どちらがキキだと思いますか?

言葉や文化が異なっていても年齢や性別が異なっていてもほとんどの回答の結果に違いがありませんでした。(左がキキ、右がブーバ)

発音した時の唇の形と似ている図形を選ぶという説が有力です。

要するにイメージに類似性や関係性を見出そうとしているということです。

大脳に損傷がある方や自閉症の方では顕著な結果は得られません。

この効果の命名者はラマチャンドランですが、この効果の発見者はケーラーです。

参考文献

心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか

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