子供の心身の発達を調べる発達検査の中でもよく活用されているのが「新版K式発達検査」です。
ここではこの発達検査について説明していきたいと思います。
新版K式発達検査とは何か?
「新版K式発達検査」は1951年に京都市児童院において嶋津峯眞や生澤雅夫、中瀬惇らによって開発されたおもに自閉症などの発達障害の診断の判断材料の一つとして使われる発達検査です。
その後さまざまな改訂と拡張が繰り返され、現在は新版K式発達検査2001の改訂版(再標準化)である「新版K式発達検査2020」が最新とされています。
この検査の適応年齢範囲は、生後100日~成人まで可能となっています。
検査に係る時間は15~60分程度で、1対1(検査者と被検査者)の個別式検査です。
発達がその同年齢と比較してどの程度の差があるかがわかる発達検査であり、自閉症など発達障害の可能性の参考になることも多くあります。
この検査で調べるところと評価
この検査では、
●「姿勢・運動(P-M)」
●「認知・適応(C-A)」
●「言語・社会(L-S)」
の3つの領域について評価していきます。
※3歳以上では「認知・適応」、「言語・社会」に重点を置きます。
「姿勢・運動(P-M)」とは、運動神経の発達を調べることです。
「認知・適応(C-A)」 ではどのように物事を認識し、どのように適応できるか?を測っていきます。
「言語・社会(L-S)」 ではc、どのくらい言葉を使えて、覚えることが出来るか?常識がどれくらい身につき、論理力はどれくらい使いこなせるかを調べていきます。
検査者は検査結果だけでなく、感情や言語反応、動作、情緒など反応も記録し、総合的に判断します。
「DQ(発達指数:Developmental Quotient)」によって同じ同年齢と比較してどれくらい発達成長しているがわかります。
年齢に発達指数(%)を掛けたものが「DA(発達年齢:Developemental Age)」です。
DQは100が平均値であり、
●100よりも高ければ発達が平均よりも進んでいる
●90であれば少し発達が遅れている可能性がある
●80以下であれば全般的な発達が遅れており、支援や専門家への相談が必要な可能性があります。
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