人や仕事によっても異なりますが、自分の家族や友人よりも会社の人間と共有する時間の方が多いという方も少なくないのではないでしょうか。
それほど密な接点を長期間に渡って持つがゆえにその人間関係で起こる問題やストレスは慢性的な負荷になりやすくなります。
「会社で働く上でストレスを感じること」についてアンケート調査(2021年)を行った結果、第三位は労働環境(14.4%)、第二位はノルマや成果(14.5%)、第一位は職場の人間関係(35.9%)でした。(参照:メルセンヌ)
自分で上司を選ぶことはなかなかできない状況があると思いますので、その関係性が悪ければストレスも慢性的になりやすくなります。
この記事ではその人間関係の中でも「上司」との関係性で起こるストレスや悩み、対処法、カウンセリングなどの有用性について書いていきたいと思います。
もくじ
上司に関するストレス
アンケート調査によって結果は異なりますが、「上司のストレス」は、多くの調査において人間関係ストレスの上位にランクインしています。
また「上司のストレス」と一言で言っても多種多様なストレスや悩みがあります。
一般的によく言われている「上司に対するストレス」の特徴としては、
- 感情的(感情の起伏が激しい)
- 不条理な指示(理不尽なストレスが多い)
- 質問や提案をすると不機嫌になる(怒る)
- 部下に仕事を丸投げする
- 嫌な仕事を他人に配分し、楽な成果が得やすい仕事を上司が奪う
- 許容範囲を超えた仕事を振ってくる
- 上司の態度や業務態度に問題がある
- 部下の話を聞かない(共感性がない)
- 自慢する(虚勢をはる、ナルシスト)
- 性格やノリが合わない(体育会系・インテリ系・理論派・理屈)
- 必要以上の叱責や説教(怒る時間)が多い(長い)
- 相手の気持ちがわからない
- おおざっぱで配慮がない
- 上のご機嫌ばかりとり、自分の出世が一番
- 嫌なところばかり突いてくる(イヤミをよく言う)
- 良いところを見ない、褒めない
- 愚痴などが嫌(飲み会に参加したくない)
- パワーハラスメントや弱い者いじめをする
- セクハラや性に関するモラルの低さ
- 多様性に関する見解の古さや狭さ
- チームや部下をまとめられていない
- 上司のリーダーシップやマネジメントに問題がある
- えこひいきがあるなど公平性に問題がある(人によって態度違う)
- 距離感が近すぎて息苦しい(遠すぎて虚しい)
- 責任を取ろうとしない(責任転嫁が多い、業務の責任が不明瞭)
- 部下から感じる能力の低さ
- 自分や特定の誰かを排除する(仲間はずれにする)
- 正当な評価をしない
- 威圧的(高圧的)すぎる
- 細すぎる指示(見ている所が違う)
- 精神的ショックやトラウマになるような言動を浴びせる
- 自分の裁量やコントロールを行えない
などがあります。
精神的なストレスなどこころの負荷がかかるだけでなく、慢性的なストレス状態により体調不良、吐き気、うつなどの身体症状が現れ、辞職や転職を考える方も多くいます。
そのストレスが自分の許容範囲内であればいいのですが、
- どうしても許せない
- どうしても納得できない
- どうしても耐えられない
- どうしても苦痛が強い
- どうしても力が出ない
- どうしても協力できない(賛同できない)
などの気持ちが浮かぶ場合、自分の心身の苦痛のみならず仕事へのパフォーマンスまでその悪影響を及ぼしてしまうことがあります。
その気持ちを想起させる対象者を見たり、同じ空間にいるだけで吐き気や肩こりなど筋緊張を起こしてしまうこともあります。
そのストレスや責める矛先が
①自分に向かう(自責・自罰)
②上司に向かう(他責・他罰)
③第三者に向かう(他責・他罰)
④身体に向かう(身体症状)
などその方向性によってもストレスの感じ方や苦しみが異なります。
自分に向かう場合は、心身の緊張度が慢性的に高まりやすく、自律神経系が乱れやすくなってしまったり、自己批判や落ち込み、うつに発展してしまう恐れもあります。
上司に向かう場合は、うまく対話を行い、ある程度の妥協点で落ち着くことができればいいのですが、許せない思いを抱えて過ごす毎日は心身に大きな負担をかけてしまいます。
ストレスは出しやすいところに排出されやすい特性があることから自分の家族や出しやすい接点においてストレスを発散するような言動をとってしまうこともあります。
相談もできなかったり、上司との対話もできないなど、処理しきれない強い感情や思いを持っている場合、その負担が身体に現れ、結果として何かしらの意思を表現する形になることもあります。
カラセックの4種類のストレスモデル(カラセック・モデル)
産業ストレスを研究しているロバート・カラセックによると、最も高ストレスなのは「要求度が高く、コントロール度(自分の裁量)が低い仕事」であり、逆にストレスが最も低いのは「要求度が低く、コントロール度(自分の裁量)が高い仕事」であることを発表しました。
「要求度もコントロール度(自己裁量)も低い仕事」はストレスを感じることも低くなりますが、やる気が削がれやすくなります。
「要求度もコントロール度(自己裁量)も高い仕事」はストレスを感じることもありますが、達成感ややりがいも感じやすくなります。
このように上司や会社が社員に対してどの程度の要求を行い、自己裁量をどれくらい与えるかによって感じるストレスやモチベーションは大きく変わるということです。
逆に言えば、要求が高く、自己裁量を認めない上司の部下であった場合、そのストレスは非常に重くなります。
※人によっては要求度が高いほうが燃える方や決められた仕事だけをこなすことが好きな方もいますので全ての方に適合するものではありません。
上司のストレスによる「体調不良」
上司のストレスなどによる影響で身体に症状がでることがあります。(複合的な要因で発現していることもあり、上司のストレスのみが関係しているとは言えないこともあります。)
例えば、
- 吐き気
- うつ(抑うつ)
- 肩こり(首コリ)
- 腹痛
- 下痢や便秘
- ガス(おなら)がでやすい
- ゲップが出やすい
- からだが緊張状態になる
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り
- 胃や十二指腸の潰瘍や病気
などがあります。
他に図のようなストレスによる身体反応があるとされています。
また上司のストレスは、長期的に見れば将来の心臓疾患や脳血管の疾患リスクになるという研究結果もあります。
あまりネガティブなフォーカスばかりをしてほしくはないですが、余りにも慢性的な高ストレスが続いている場合は、転属や転職、休職なども視野に入れておかなければなりません。
休職(辞職)や転職、転属などによってその上司と接する機会がなくなり、徐々に心身が回復していく場合は良いのですが、なかにはその慢性的な症状がなかなか改善しないこともあります。
特に学習された「痛み」や癖のようになってしまった「症状」などはある程度それを理解している専門家に相談することをおすすめします。
また病気や疾患レベルの身体状態になってしまった場合は医師の診断と治療を速やかに受けられるよう受診してください。
上司のストレスと「うつ(抑うつ)」
「うつ」という言葉が一般的によく用いられますが、鬱々とする精神状態を表していることもあれば、正式名で言うと「大うつ病」という病気としてのうつ病を表す言葉として用いられることもあります。
世界には約3億人以上のうつ病有病者がいるという報告もあり、近年非常に多くなってきている精神的な疾患です。
主な精神的な症状は、
- 気分の落ち込み(抑うつ)
- 気分が暗くなる・ネガティブになる
- 過去の出来事を繰り返し考えてしまう(反すう)
- 楽しめない・喜べない
- やる気が出ない・思考力や集中力の低下(制止症状)
- 焦燥感とイライラ感
- 自分を責めてしまう
- 自信の消失
- 希望が持てない・絶望感
- 大きな病気になっているのでは?と思う(心気妄想)
- 過剰に失敗を思いつめる(罪業妄想)
- お金があってもないと思い込んでしまう(貧困妄想)
- 重い場合は、死にたくなるほどの苦痛と希死念慮
などがあります。
身体的な症状として、
- 食欲や性欲が出ない
- 不眠(過眠)
- 疲れやすい・体の重さやだるさ
- 肩こり・首コリ・頭痛・めまい
- 胃腸症状
- 口の渇き・動悸・息苦しさ
- 月経異常
などがあります。
「うつ病」であると気づかずに未治療で日常生活を送られている方も多く、WHOの調査では世界のうつ病の未治療率が56.3%と推定するほど治療も約半数しか受けていない現状があるようです。
うつ病やうつ状態になると、
①反芻(はんすう)
②学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)
の2つに注意が必要です。
反芻とは、「なんでこんなに落ち込んだんだろう」「なんであんなことをしてしまったのだろう」という考えが繰り返し浮かんできたり、関係のないことへ飛び火して、ネガティブな思考を繰り返してしまうことです。
学習性無力感とは、努力を重ねても望む結果が得られない経験が続くと「何をしても無駄だ」と思うようになり、乗り越えよう、戦おうという方向に行かないばかりか、もう無理だ、と諦めやすくなってしまうことです。
うつ病の約7割が1年以内に寛解(回復)し、残りの方はなんらかの部分的寛解が見られると言われていますが、長年にわたってうつ病と向き合い、付き合いながら人生を歩まれている場合も有ります。
人によってご状況も違いますし、重症度も違います。
簡単には比較できない特徴があり、比較していくと焦りや強い苦痛を感じてしまうご状況の方もいらっしゃいます。
うつ病や抑うつに関する原因や進化生物学的な原因モデル、心理療法とカウンセリングなど詳しくはこちらをご覧ください。⇒「うつ病とカウンセリング」
上司が怖い(上司恐怖)
上司に対して攻撃的な思いを持っている人もいますが、反対に上司が怖くて恐怖という心情になってしまった方もいます。
その場合、心身ともに緊張感が抜けづらく、こころだけでなく、身体にも大きな負荷がかかってしまうことも多くあります。
このような状態の時には、専門家の力を借りることが大切です。
どこが怖いポイントなのかを理解し、それを受けいれながら、適切な馴化(慣れ)や認知の変容などのアプローチを行っていくことで徐々に変化していくことも多くあります。
なぜそのように怖いのか?という理由付けが深いところから納得すると力が少し抜けたりします。
また行動療法のように行動に着目してアプローチを行うことで恐怖を乗り越えていくこともできます。
仕事を辞めたい
上司のストレスによって、
- 転属・異動したい(社内での移動)
- 休みたい(休職)
- 辞めたい(辞職)
- 仕事を変えたい(転職)
などの欲求や気持ちになることがあります。
それはもう耐えられない、我慢できないといった気持ちの表れであったり、身の安全や命の安全を確保するために必要な場合であったりします。
辞めることは簡単に実行しやすいですが、就職や転職はある程度の能力や資格、年齢的若さがなければ難しくなることもあります。
ですので慎重に判断しなければなりません。
「仕事を休んで(辞めて)、心身が回復し、リフレッシュして復帰できる」ことが多くの場合、理想としてあると思いますが、心身が回復せず、ひきこもり状態になってしまう場合もあります。
そのため異動や転属ができないか?休職という形が取れないか?などを優先して検討したほうがいい場合も多くあります。
神経心理学者で「ヘブ則(ヘッブ則)」で有名なドナルド・ヘッブの研究によると、ストレスを全くない状態をつくった実験結果から、人間はストレスがなくなるとストレスに対する抵抗力が衰え、注意力や集中力が散漫になることが明らかになりました。
休むための辞職や休養がストレスの耐性や抵抗力を衰えさせることにもなる場合があるということです。
本当に必要な場合は良いのですが、安易に「楽をしたい」といったことで長期休養を行うのは注意が必要です。
耐える方がいいの?対処・対策を考える
多くの場合、上司との関係性から感じるストレスは、
- 我慢する
- 耐える
- 気にしないようにする
- 仕方ないと諦める
といった対処をすることが多いと思います。
上司本人に思っている気持ちや意見をストレートに出すことはなかなか難しいことも多く、その不満を同僚や信頼する社内の人間に話したり、家族や友達に愚痴として聞いてもらうことも多いでしょう。
人によっては、あまり相談しない、話さない、話せる人がいないというご状況の方もいらっしゃいます。
ストレスに対処することを専門的にはストレスコーピングと言いますが、「コーピング能力が高い人ほど、人に相談できる」といわれています。
自分の力だけではなく、周囲の助けも借りていくことも大切です。
そういった周囲の助けや社内の相談部門、公的な相談窓口、カウンセリングなどを利用することを「社会的支援探索型コーピング」といいます。
ただ耐える、我慢するだけでなく問題を「問題」として提起することも大切であったりします。
本人と直接対決するだけでなく、上司のまたその上の上司に相談する、社内の担当部署に説明することで問題が会社の問題として認知され、対処、処遇が決まっていくことにつながっていきます。
その機能が正常に動いている会社もあれば、報告をすると問題が逆に大きくなる、自分の居場所が潰される、ストレスがより悪化する状況や会社もあります。
また当人の「勇気」や「正義感」などの持ちようによってもその問題の報告が速やかになされるかどうかに影響します。
一般的なストレスの対処法や対策として、
- 気にしないようにする
- 忘れるようにする
- 気晴らしをする
- 家に帰ったら考えないようにする
- 趣味のことを考える
- 愚痴や相談をする
- 楽しいことをする
- 割り切る
- 上司と正面から話をする
- 周囲を固めてチームで上司と対峙する
- 会社を通して働きかける
などがあります。
私は心理師ですので心理的アプローチで支援を行ってきましたので、心理的な対処法や対策としてできることをここからは紹介して行きたいと思います。
その問題の目標や着地点の選定
自分が抱えている「上司のストレス」に関してまずその問題を吟味する必要があるのは、その「目標」や「着地点」にあるでしょう。
- 上手くスルーしたり、流せるようになりたい
- ストレスを少し軽減できればいい
- 誰かにこの気持ちをわかってもらえればいい
- 誰かに話して共感してもらえれば気が済む
- 自分の中でそのストレスが解消できればいい
- 上司にもわかってもらわないと困る
- 自分がどれほど苦しんでいるかわからないと許せない
- 上司も痛い目や苦しんでもらはないと気がすまない
- 上司が改善しないと納得できない
- ハラスメントとして懲罰がないと気がすまない
- 別に時間が経てばどうでもいいかもしれない
- この機会にこのストレスに強くなりたい(乗り越えたい)
- この機会に自分と向き合いたい(自分に出来ることをしたい)
などいろいろなご状況とストレスがあっていろいろな着地点や目標があると思います。
意外と問題化していくことでストレスが大きくなることもあったりしますが、それでもその問題に向き合ったほうが良い時もあります。
自分の問題と上司の問題を明確にする
ストレスを感じていると、どこまでが自分の問題で、どこからが上司の問題かの線引きがあいまいになってしまうことがあります。
「あなたの問題」はあなたのものであって、「上司の問題」は上司のものですので、あなたが上司に何かをしようとしなくても良いと言えますし、する必要がないという視点も獲得できると思います。
ようするに「自分の問題」と思うところだけを見ていけばいいということです。
自分が「上司の問題」に関してどれくらいのストレスにするか、どのような反応にするかは無意識的な反応ですが、自分の問題であったりすることも多いかもしれません。
そのストレス反応に対して意識的に心理アプローチを行うことで変容を促すこともできます。
ようするに出来事そのものにアプローチできないときやしたくないときには、自分が感じるストレスを強くしているポイントに向き合ったり、意図的な馴化(慣れ)などによってストレスを軽減させることができるということです。
このように問題の境界線を明確にして、必要なところのみにアプローチしていくことがとても大切になります。
自分の納得できないポイントと妥協点を探る
ただのストレスが「悩み」や「問題」に発展するには理由があります。
それは「納得できないこと」や「許せないこと」が含まれていることがほとんどです。
自分が許せないところはどこでしょうか?
何があれば許せますか?
何が実現すれば許せますか?
その許せないところは許せないので良いですが、本当にそのまま許せない方が良いですか?
納得できていないところはどこでしょうか?
何に納得できていないのですか?
何が実現すれば納得できるのでしょうか?
それとも納得できない自分がこのままで良いのでしょうか?
心理カウンセリングでは、クライエントの意思や想いを尊重し、大切にしながら何がポイントなのかを一緒に調べていきます。
何が許せない、納得できないポイントかを明確にし、そこに共感してもらうことで少し気持ちが癒えることもあります。
ただ何か実際の行動の実現がないと許せない、納得できない場合は、その方面でどのようにしたら実現できるかをカウンセラーと慎重に考えていきます。(その実現はモラルの範囲内の妥協点を模索する)
また一方で自分のストレスの受け取り方や苦手なスイッチがあるような場合、認知や行動に働きかける心理アプローチを行ったりします。
許せないこと、納得できないことが許容できるようになったり、受け取り方の違いでストレスが軽減できたり、苦手度がゆるやかになったり、心理アプローチは多種多様な方法があります。
どのようなカウンセラーや心理師に相談するかによってもアプローチ方法は異なったりします。
世代間ギャップを理解する
職場に関する世代間のギャップという方向から考えるとまたその問題の理解に役立つことも多くあります。
例えば、暴言を吐く上司がいたとしましょう。
その上司は自分がやっている暴言もしくはそれ以上のものを親や上司から経験していて、ついついそれがでてしまうといったことが起きたりします。
自分の知らない背景ですので意外かもしれませんが、自分の受けた暴言・暴力よりも「少し抑えて」出していることもあるのです。
少し前の時代では暴力や体罰が教育的に用いられ、言葉の暴言も今よりも強いものでした。(その昔を知らない人は考えられないかもしれませんが)
全体的な話で行くと年代が過去に遡れば遡るだけひどい扱いを受けていることが多くあります。
今では暴力ができないように法的な整備がされ、また言葉での誹謗中傷、暴力的発言に関しても「ハラスメント」として問題視するような時代になってきています。
年齢が上の世代に行くほど、あまりのギャップの違いに苦しんでいるところもあるのです。
「俺たちの時はこんな生ぬるくなかった」「こんなことで問題になるのか。。。」と。
この時代の方々の苦しみも知ることで何か自分にとって有益なものがあれば幸いです。
しかし一方でそれも「いい訳」だという考えもありますので、時代の風潮に合わせる「適応能力」も現代ではもとめられています。
戦時中で食事もろくに食べられない生きるか死ぬかの状況では、多少の「暴力」や「暴言」くらいのストレスはたいしたことなかったかもしれません。
この時代を生き抜いてきた世代の「ストレスに感じるレベル」、物質的豊かさの中で育った世代の「ストレスに感じるレベル」、物質的にも精神的にも比較的に満たされた世代の「ストレスに感じるレベル」はそれぞれに違うということもなんとなく想像できるのではないでしょうか。
それは優劣の世界ではなく、また別の生き物のように違うということです。
その違いを知り、理解していくことでうまく共存していけるものだと思います。
人類の歴史の中でもこれほど激動な時代、変化の多い時代はないかもしれません。
だからこそ世代間でのギャップが生まれ、理解しがたい問題が起きやすいものです。
そのような時代だからこそ「世代間の違い」への理解が役に立つというわけです。
もし上司の時代を知らなければ、その上司やその世代の方々にどのような人生であったか、社員時代は上司からどのように扱われてきたかなど聞いてみるのも良いかもしれません。
上司と部下に関する名言
「上司は部下のことを理解するのに3年かかり、部下は上司のことを見抜くのに3日しかかからない」といった名言があります。(作者不明)
それほど大げさではなくともおおよそ上司と部下の人間関係の一部を言い表しているのではないでしょうか。
でも実際は上司は上司の大変さがありますし、部下は部下の大変さがあります。
そういった見えにくいところを知っていくことで問題の見え方が変わったりすることがあります。
おわりに
この記事を読み終えてどのように感じたでしょうか?
人類の歴史上、最も激動な時代に私たちは生きています。
同じ人間でも同じ人間ではないような感覚に陥ることも多々あります。
その問題が起きる最たる場面のひとつが「上司」であることも多いかもしれません。
テクニカルな心理技法で自分の中の許容範囲を広げたり、ストレス対処能力を向上させたりすることができます。
一方で古くからある伝統的な「気にしない」「スルーする」「仕方ない」「割り切る」「良いほうに考える」といったシンプルな戦略も意外と役に立ちます。
そのためには自分の「納得」と「許せない」がある程度落ち着かなければなりません。
この記事でも心理カウンセリングでもお役に立てられれば幸いです。
記事監修
公認心理師 白石
「皆様のお役に立ちますように」