ソーシャルスキル・トレーニング(SST)について書いていきたいと思います。
ソーシャルスキル・トレーニング(SST)とは?
ソーシャルスキル・トレーニング(Social Skills Training:通称SST)とは、社会生活技能訓練とも呼ばれ、カリフォルニア大学のロバート・リバーマンが考案した社会生活技能を訓練することによりソーシャルスキルを向上させるための心理社会的療法です。
社会生活や社会的コミュニケーションに困難を感じる、また社会とのつながりがなくなり、社会適応が難しくなっている状況の方々、知的障害や発達障害、精神疾患などによる困難を抱える方にも用いられます。
心理学的には、
◎社会的学習理論(他者を観察して模倣することによって新しい行動を獲得できるモデリングを中心とした理論)
◎認知行動療法(認知や解釈に焦点を当てる認知療法と行動に焦点を当てる行動療法を併せ持つ理論)
の理論に基づいたアプローチを行っていきます。
デイケアや就労継続支援事業所、就労に関する訓練を行う施設などで心理の専門家やSSTトレーナー、SST認定講師、ソーシャルワーカーなどが行います。
軽度発達障害指導における5つのソーシャルスキル
軽度発達障害指導における「5つのソーシャルスキル」とは、
①話すスキル(会話をする、話題を合わせる、会話のやりとり)
②相手に合わせるスキル(規則やルールを守る、指示に従う)
③仲間との関係を保つスキル(一緒に遊ぶ、助けを求める)
④自分をコントロールするスキル(感情や欲求を抑える、妥協する)
⑤授業を受けるスキル(先生の話を聞き理解する、言われたことを行う)
などが含まれます。(参照:軽度発達障害の指導ソーシャルスキルトレーニング)
SSTの一般的な流れ
SSTの一般的なプログラムの流れとして「具体的な目標の設定」を行い、
①挨拶と参加者の紹介
②今回の目的とルールの確認(前回があればホームワークの報告)
③今回練習するテーマと内容の提示
④ロールプレイの実践練習
⑤今回のホームワークの設定
⑥まとめと終わりの挨拶
となります。
ロールプレイでは、場面を設定し、自分のやり方で試して全員から「良い点」をフィードバックしてもらいます。
またさらに良くなる点や工夫すると良い点などもフィードバックされ、トレーナーが見本を見せます。
そこから再度自分で行い、改善された点をフィードバックしてもらいます。
褒められることで学習の強化が行われ、「より良くする気持ち」を持つことができるように設計されています。
しかし自分の生活下ではそのようなフィードバックがないですが、ホームワークを継続的に行うことが大切です。
目的には、「治療的」、「予防的」、「積極的」の3種類、対象も「個人」、「小集団」、「集団」の3種類があります。
内容には、
①他者理解
②自己表現
③感情調整
④集団参加
⑤授業参加(教育関係)
の5種類があります。
形態としては、直接具体的指導した内容を訓練する「構成的形態」と他者との関わりの中で学んでいく「非構成的形態」があります。
就労移行支援などで行われるSSTでは、
①質問の仕方を学ぶ
②依頼する仕方を学ぶ
③断り方を学ぶ
④質問された時の回答の仕方を学ぶ
などを訓練していきます。
(引用:ソーシャルスキル・トレーニングの理解と指導 総合教育センター 特別教育担当)
■参考文献
軽度発達障害の指導ソーシャルスキルトレーニング
ソーシャルスキル・トレーニングの理解と指導 総合教育センター 特別教育担当
記事監修
公認心理師 白石
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