過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。

ここではロロ・メイと「実存主義心理療法」について書いていきたいと思います。

ロロ・メイについて


ロロ・メイ(Rollo May)

ロロ・メイ(Rollo May)は1909年アメリカのオハイオ州エイダに生まれました。

両親の離婚や妹の統合失調症など家族内で多難がありましたが、大学を卒業し、ギリシャで英語を教える職につきます。

その当時、ウィーンのアルフレッド・アドラーのセミナーで心理学を学んでいました。

帰国後はユニオン神学校に入学し、牧師職に就くも心理学を学ぶためにコロンビア大学に入ります。

エーリッヒ・フロムらが設立した精神分析研究所などで臨床に携わりながら著作活動を行い、マズローやロジャースとともに人間性心理学研究所を創設します。

実存分析家としてさまざまな大学で教鞭をとり、ロロ・メイは実存主義心理療法の父として知られています。

主著として、

1950年「不安の意味」
1958年「実存」

などがあります。

メイの心理学や心理療法は、ドイツ生まれの神学者パウル・ティリッヒの影響を大きく受けています。(ティリッヒはアメリカにおける最も偉大な神学者の一人とされています)

実存主義心理療法(アプローチ)


実存主義心理療法は、実存主義的アプローチとも呼ばれ、環境や他者などに原因を求めるような形ではなく、「今ここにいる自分」の主体的な意思決定や選択が重要視される心理療法です。

ロロ・メイは行動療法や精神分析は適応だけを目指してしまい、個性を埋没させてしまうと考えました。

また精神分析で扱われる「無意識」という概念はどのような見解でも解釈できるとして否定的なスタンスを持ちます。

実存主義では「まわりの世界」「共にある世界」「独自の世界」の三種類の世界を区別しており、その3つ全てに目を向けることが重要です。

そして最終的には自分の人生の生きる意味を見出し、自分の選択と実行によって体験することを目的としています。

自分の人生は自分で決め、選択できるという視点が強調されている技法です。

ロロ・メイは、人生における苦しみは通常の人生の一部として扱い、人間的経験のスペクトルとしてみなしました。

そのため自分のネガティブな感情は、抑圧も排除も行わず、受け入れることを大切にしています。

苦しみや悲しみは「治療されるべきもの」という扱いではなく、人間的成長を可能にしてくれるものとして重要な経験です。

このような考え方を基本としたアプローチによって人間的な成長と「人生の主人公は自分である」という軸を取り戻し、選択する行為の幅を広げていくのが実存主義心理療法です。

ロロ・メイの名言


ロジャーズやマズローらと共に「人間性心理学」を代表する1人とされているロロ・メイの名言を最後に二つ紹介します。

■人間性心理学
人間性心理学は、精神分析や行動主義との間に生まれた第三の心理学としてマズローが提唱し、人間のポジティブな側面を強調した「自己実現」や「主体性」「創造性」などの概念を持ち、行動主義や精神分析では重視されなかった人間性を回復させる流れを作りました。要するに人間の正常で健康な側面を考えていく心理学です。

人間は自分の潜在的能力の実現に努めなければ萎縮して病気になってしまう。それが神経症の本質である。

ロロ・メイ(Rollo May)

自分の弱さを感じる者は弱いものをいじめ、劣等感を感じる者はホラ吹きになる。

ロロ・メイ(Rollo May)

参考文献

パウル・ティリッヒの神学とロロ・メイの実存的心理療法 若山 和樹
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか

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