過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。

ここではボリス・シリュルニック「悲劇とレジリエンス」について書いていきたいと思います。

ボリス・シリュルニクについて


ボリス・シリュルニク(Boris Cyrulnik)

ボリス・シリュルニク(Boris Cyrulnik)は、第二次世界大戦前の1937年フランスのボルドーのユダヤ人家庭に生まれます。

ユダヤ人の一斉検挙により両親はアウシュヴィッツ強制収容所に送られ、命を奪われました。

シリュルニックは前もって里親の元に預けていましたが、謝礼金欲しさにシリュルニックは引き渡されてしまいます。

強制収容所の手前でなんとか脱走に成功し、10歳まで農場で働き、施設に引き取られます。

悲劇を多く経験したシリュルニックは人間の心に高い関心を持ち、親が不在のまま独学でパリ大学へ入学し、医学を学びます。

精神分析や精神神経学を学び、児童精神医学やトラウマ(外傷後ストレス障害)の専門家として活躍していきます。

自分の人生の経験から恵まれない子供達に支援活動を行うなど様々な功績からフランス政府のレジオンドヌール勲章を綬章します。

主著には、

1992年「意味の端緒」
2004年「妖精のささやき」
2009年「回復力」

などがあります。

悲劇とレジリエンス


悲劇が起きた時、強烈なダメージを受ける者もいれば、損失やトラウマに打ち勝ち乗り越える者もいる。

こうした反応の違いにシリュルニックは興味を持ちました。

そして回復力は個人の中にあるというよりも「人との関係の相互作用」によるものが大きいと提唱しました。

ようするに愛情や会話(相談できる)、触れ合いや慈愛、支援などである。

またポジティブな感情や思考、そしてユーモアも回復力には重要な役割を果たしています。

その苦しみに意味を見出し、有用で啓発的な経験とみなし、笑い飛ばす有用性を訴えました。

シリュルニックの研究では、トラウマによる子供の脳の縮小が十分な愛と支援によって1年以内に正常な状態へ回復していることがMRI画像でも確認され、大きな発見となった。

レジリエンス(英語:resilience)とは、ストレスなどの外力による歪みを跳ね返す力や正常な平衡状態を維持することができる能力、回復力といった意味で一般的に用いられます。

シリュルニックはこの「レジリエンス」という概念を広め、その向上の普及に努めました。

特に「レッテルを貼ってダメージを大きくするようなことはして欲しくない、特に大人が」と語っています。

最後にシリュルニックの名言を紹介します。

私たちのこれまでの経歴が私たちの運命を決めるわけではない

ボリス・シリュルニク(Boris Cyrulnik)

参考文献

心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか

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