過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。
ここではスティーブン・ピンカー「進化心理学と恐れ」について書いていきたいと思います。
スティーブン・ピンカーについて
スティーブン・ピンカー(Steven Arthur Pinker)は1954年カナダのモントリオールのユダヤ人家庭に生まれます。
マギル大学で実験心理学の学士を取り、1979年にハーヴァード大学で博士号を取得します。
MITで研究を行った後、ハーヴァードやスタンフォード大学で教壇に立ち、認知神経科学センターのセンター長を務めます。
研究は、言語の獲得と進化心理学の領域において功績を残しています。
プライベートにおいては3度の結婚を経験しています。
進化心理学と恐れ
進化論は有名なダーウィンから始まり、ジョン・ボウルビーが愛着と遺伝的影響について研究を発表、リチャード・ドーキンスは「行動の傾向は他者との相互作用を通じて進化する」と論じました。
進化心理学という言葉自体は、マイケル・ギゼリンが1970年代に用いたのが始まりと言われています。
体が自然選択により進化したように、心も環境や生存競争に適応して進化してきたという考えが進化心理学です。
ピンカーは進化心理学(自然選択による心の進化)を受け入れる恐れを4つ指摘しています。
①生まれつきであるとするなら平等ではなく不平等であるという恐れ
②不完全性が生まれつきであるならどうにもならないのではないかという恐れ
③遺伝子で決まっているならと努力をせず、放棄してしまう恐れ
④神秘性や優れた感覚がたんなる遺伝的なものであるという粉々にされる恐れ
少し極端ではありますが、遺伝的要素と後天的要素(環境や努力、行動)を合わせて私たちの心も進化しているというところが現実的なところだと思います。
進化心理学という分野も心を知る上で非常に重要な考え方だと思います。(それが全てではないと思いますが)
ある程度遺伝的なものだと建設的に受け入れて(諦めて)、本当に努力するべきところに努力して、精を尽くす方がより良い人生にとって良いことも多いかもしれません。
最後にピンカーの名言を紹介します。
恐れは私たちが神聖だと思う全てが生物学によって粉々にされることへの恐れだ
スティーブ・ピンカー(Steven Arthur Pinker)
参考文献
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか著
記事監修
公認心理師 白石
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