幸せは、幸福や幸運とも呼ばれます。

・運が良いこと
・満足感があること
・望ましくいくこと
・うまい具合にいくこと
・ラッキー
・めでたいこと
・嬉しさを表す表現
・楽しさを表現する言葉
・やりがいを感じること
・生きがいを感じていること

などを表す言葉として「幸せ」と表現をされていることが多いと思います。

そんな「幸せ」という言葉のルーツである語源をこの記事では追求していきます。

2つの幸せの語源

幸せの語源とされている「仕合わせ(し合わせ)」と「為し合わせ(為合わす)」について説明していきます。

仕合わせ(し合わせ)とは

幸せの語源の一つである「仕合わせ(し合わせ)」という言葉は、室町時代に生まれたと一般的にはされています。

仕合わせは、するという「し」に何かが合わさる「合わす」を組み合わせた言葉で、めぐり合わせという意味で用いられてきました。

それは良いこと(良い運命)も悪いこと(良くない運命)も含めた「仕合わせ」だったようです。

良いことが起きたら「仕合わせが良い」と表現され、悪いことが起きたら「仕合わせが悪い」と表現されていました。

英語のHappyの語源も不思議ですが、同じような意味があります。

良いことのみを言う「幸せ」は江戸時代以降から使われているようです。

中島みゆきさんの有名な曲「糸」のなかには「仕合わせ」をこう綴っています。

縦の糸はあなた
横の糸は私
逢うべき糸に
出会えることを
人は仕合わせと呼びます

為し合わせ(為合わす)とは?

「為し合わせ(為合わす)」という言葉も幸せの語源とされています。

読み方は、「なしあわせ(なしあわす)」と読みます。

為し合わせ(為合わす)とは、お互いにし合うことに用いられていたようです。

お互いに「してあげ合う」という意味として、自分だけではなくお互いという関係性がある言葉です。

自分と大切な人がお互いの幸せに貢献して、ともに幸せを感じれたら一番いいですよね。

ここまでのまとめ
仕合わせ(し合わせ)は「めぐり合わせ」、為し合わせ(為合わす)は「お互いにしてあげ合う」という意味で語源とされている。

「幸」という漢字

幸は音読みでコウと読み、訓読みでさち、しあわせ、さいわい、みゆきと読みます。

山の幸や海の幸の「さち」、幸せの「しあわせ」、幸いの「さいわい」、天皇関係用語として御幸「みゆき」などの使い方がされます。

運が良い、さいわい、思いがけない好運、可愛がられる、天皇関係用語などを表現するときに用いられます。

幸という文字自体は象形文字の「手枷(手錠)」の象形といわれています。

手枷(手錠)を免れた幸運をさいわい出来事として「幸せ」という言葉の成り立ちに関係していると一般的に言われています。

今では考えられない刑罰が多かった昔にとっては、手枷(手錠)だけで済んでいることが「さいわい」で「良い仕合わせ」であったのかもしれません。

昔の刑罰は余りにもひどいもんです。。。。。ちょっとしたことで火あぶりやらみせしめの刑やら足切りとか、そこと比較すればだいぶ個人の人権が守られるようになったもんですね。

幸福について

幸せは、幸福とも呼ばれます。

幸福は、不平不満がなく、心が満ち足りている状態やその様という意味を表す言葉とされているようです。

幸せと幸福って少しイメージが違いませんか?

幸せは、小さな幸せでも幸せと言えるイメージ
幸福は、小さな幸せも含んでいる感じはするけどすごく幸せなイメージ

があるような気がします。

これも勝手なイメージかもしれませんが、幸せはよくあるものも含まれるかもしれないが、幸福はかなりレア的な感じでしょうか。

日常生活で「幸福だな~」という言葉をあまり使わないのは、「不平不満がなく、心が満ち足りている状態」が少ないからかもしれません。

福の語源

その「福(ふく)」の「畐(ふく)」はとっくりのような器を描いた文字で、みちる、さいわい、財産といった意味があります。

左側の「示(しめす)」へんは本来、神々へのお供えを置く台を意味しております。
「〒→示→ネ」という流れで変化してきた漢字です。 

神々へのお供えと願いや祈りやそこから得られるさいわいや恩恵が語源から表現されている感じがしますね。

中国での福

ちなみに中国では「福」を逆さまにしていますが、「倒福(福を逆さまにする)」と「到福 (福が来る)」が同じ音で縁起が良いとされて大切にされているようです。(他にも諸説あるようです)

「幸」の私的見解(こじつけです)

幸せの「幸」という漢字を分解してみると「辛い(つらい)」と「一」に分けられます。

辛い(つらい)状況でも一つの捉え方や人の優しさが加わることで「幸せ」になることがあります。

仕事柄ご相談を受ける機会に恵まれていますので、捉え方や視点が変わること、人の優しさや温かさに触れることで同じ状況なのに感覚や感情が変わることをたくさん見てきました。

病気になって辛い日々が続いていたのに、ふと健康の有り難さを感じるようになって自分を大切にするようになった。

相手が悪いと思っていたけど、自分が変わることで相手が不思議と変わってきて「なんであんなに悩んでいたんだろう」って経験をした。

たった「一つ」で辛い(つらい)から幸せ(しあわせ)になり得ることがあると勝手ながら思っております。

そのたった「一つ」が難しかったりもしますが、たった「一つ」でいいんですとも言えます。

まとめ

日本語における「幸せ」の語源は、仕合わせ(し合わせ)の「めぐり合わせ」、為し合わせ(為合わす)の「お互いにしてあげ合う」の2つが由来としてあります。

そして時代を経て、良いことや幸いなことが「幸せ」「幸福」という言葉にとって変わり今の私たちが使っている形になりました。

語源を調べていくと、面白いですね。

ご拝読有難うございました。

<参考文献・サイト>
三省堂大辞林 第三版
倒福-ウィキペディア
漢字/漢和/語源辞典

記事監修
公認心理師 白石

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