「幸せ」を英語に訳すとたくさんの言葉に出会います。

その中でも代表的な「Happy」と近年注目されている「Well-being」から幸せについて考えていきたいと思います。

Happyと幸せ


一番有名な英訳が「Happy」ですね。

形容詞の「happy」、名詞の「happiness」、副詞の「happily」があります。

「happy」は幸せや幸運、満たされている、めでたいという意味があります。

実際のネイティブの方々はカジュアルな感じで「うれしい」とか「満足している」(カジュアルじゃない場面ではdelightedやsatisfiedを使うケースが多い)という状況に対して使うことが多いようです。

「喜んで~する」という時、「めぐり合わせが良い」という時、「ぴったり、適切な」という時、「夢中な、やたらと~したがる」という時にもhappyが使用されるようです。

happyの語源

happyは、偶然におこる、発生する、運命、出来事という意味の「hap」や「happen」が起源とされています。

日本語の幸せの語源の一つである「仕合わせ」もなんと「めぐり合わせ」という意味があります。

不思議ですね。

ちなみに世界幸福度調査は、World Happiness Reportと英語で表記されています。

その他の幸せに関する英語


lucky

偶然に起こった幸せ、幸運、好運などを意味するのがluckyです。

運がいい時に「ラッキー!!」とよく使いますね。

fortunate

luckyと同じ意味のようですが、より大きな偶然起こった幸せに対して用いられます。他にも幸先の良い~という時に用いられます。

「lucky」はカジュアルに用いられることが多く、「fortunate」はフォーマルに用いられることが多いです。

glad

嬉しい、喜ばしい時に用いられる「glad」は「happy」と比べて感謝も示したい時に用いるようです。

今嬉しい時に「glad」、継続的に嬉しいのが「happy」と使い分けもあります。

golden

金のイメージも強いgoldenですが、幸い、幸運、繁栄、恵まれた、貴重なという意味で用いられます。

felicitous

felicitousは、適切な、ぴったりな、幸い、幸運、喜ばしい、という意味で用いられます。

祝うという意味のFelicitateとか祝辞という意味のFelicitationがあります。

またローマ神話に出てくる幸運の女神は「Felicitas」です。

a blessing

神からの祝福、恩恵、祈り、幸運などの意味がblessingにはあります。

※他にもいろいろな英単語がありますが、ここでは割愛します。

Well-beingと幸せ


最近よく耳にするようになった言葉として「Well-being」があります。

そのWell-beingの説明の前にウェルネス(Wellness)の説明をします。

ウェルネス(Wellness)

ウェルネス(Wellness)は健康なカラダと健康を維持増進させる活動や選択も含めた意味で用いられます。

1961年に米国のハルバート・ダン医師が「輝くように生き生きしている状態」と提唱したのが最初とされています。

解釈は様々な業界や団体などで多少異なりますが、2015年に発表された定義を紹介します。

ウェルネスとは、伝統的な健康の定義を超えて広がる、身体的、精神的、そして社会的、相互に関連する、ウェルビーイングの多様な側面を意味する。またそれは、身体的活力、精神的な平穏、社会的満足、達成感、そして個人としての充足感、などを実現することを目的とした活動や選択を含む。

Huseyin Naci, PhD と John P. A. Ioannidis, MD, DSc による定義 ウィキペディア
  • 健康に良いからこういうもの食べよう!
  • 温泉に行こう!
  • 運動やスポーツをしよう!
  • 森林浴にいこう!
  • セミナーに行こう!

というような生き生き前向きに活動をする自発的な精神も健康的なカラダとともに大切だ、ということですね。

ウェルネス業界ではダイエット、健康食品、サプリ、ツーリズム、美容、心理関連など多種多様な商品やサービスが販売・提供されています。

世界におけるウェルネス業界の経済市場は、なんと約500兆円!!

世界の経済成長の約2倍もの速さで急成長しているようです。

それぐらい今の世の中に必要とされてきているということですね。

ウェルビーイング(well-being)

状態が良好、幸せな状態、健康な状態、満足できる生活状態を意味するものとして用いられています。

ようするに「良い状態」という感じですね。

ウェルビーイング(well-being)は、比較的新しく使われるようになった言葉で、有名になった世界保健機関(WHO)の憲章の中の一文を紹介します。

「健康とは、身体面、精神面、社会面における、すべての well-being(良好-性)の状況を指し、単に病気・病弱でない事とは意味しない」

世界保健機関(WHO)の憲章 ウェルビーイング – Wikipedia

病気や病弱がない状態=健康という意味だけではなく、「身体的」「精神的」「社会的」な状態が「良い状態」であることが健康にとって大切ですよということです。

幸せや幸福も「こころ」だけではなく「からだ」も「社会的な状態」も大切だと認知されるきっかけになったと思います。

Well-beingの意味や解釈はそれぞれありますが、上記のような流れから「こころ」「からだ」「社会的な状態」が良い状態であることを意味、解釈する言葉として活用されていたりもします。

HappyとWell-being


HappyとWell-beingの違いについて、幸福学で有名な前野隆司先生の見解をご紹介させていただきます。

「幸福な人生とハッピーライフというのはかなり意味が違います。『ハッピー』は『happen(起きる)』と語源が同じ。短期的な心の状態を表す感情なんですね。一方、『幸福』は感情ではなく、『ある状態』を指す。人間関係が良好で、夢や希望があって、長期的な意味で『ハッピー』であれば、それが『幸福』です。『ハッピー』よりも、健康と幸福を含む言葉である『ウェルビーイング』のほうが幸福に近い。海外で研究が進んでいる『ウェルビーイングアンドハッピネス』が幸福学に近い概念ですね」

「幸福」と「ハッピー」は似て非なるもの!? LIFE NET JOURNAL

Happyは幸せや幸福といった側面が強く、Well-beingは幸せや幸福に健康も加わる意味で用いられているということですね。

最後に


健康であることが幸せや幸福にとって大切である意識が高まってきています。

また健康の概念が単純に病気がない、症状がない状態ということではなくなってきています。

病気や症状があっても生き生き健康的に生きていれば幸せであり、広い意味では健康と言えるということです。

そういう意味でWell-beingという言葉や意味が注目されてくるようになったと思います。

HappyもWell-beingもどちらも幸せや幸福にとって大切なのは間違いないですね。

まとめ

HappyやWell-beingの捉え方や意味付けは人によって多少異なりますが、大事なのは、言葉を調べていく上で以下のような重要なポイントが見つかることです。

○英語の「Happy」と日本語の「幸せ」の語源の意味がほぼ同じであること。
○「健康的で幸せ」を求めるニーズは年々高まっており、多種多様な発見や発明、商品やサービスが生まれています。
「からだ」「こころ」「社会面」3つすべてがWell-being(良い状態)ということが健康を含めた幸せや幸福に大切だということ

ウェルネス産業の発展など健康意識が年々高くなっており、幸せや幸福における「健康」の重要性が高まっています。

現代的な幸せや幸福にはHappyという英語よりもWell-beingのほうが適切ではないかという意見や意識が高まっている時代の風潮がありました。

<参考文献・サイト>
プログレッシブ英和中辞典 小学館
新和英中辞典 研究社
会話によく出てくる “happy” の意味 | 日刊英語ライフ
「ウェルネス」業界が世界で500兆円に急成長する理由 日経doors