他人とのかかわりがうまくいかない、うまくコミュニケーションがとれないなどその苦手さや特性を自分自身だけの問題にしてしまうことは少なくないかもしれません。

近年、「関係性のズレ」という相互関係性に着目した捉え方が新しく見直されてきています。

今回はその新しい視点を獲得するために記事を書いていきたいと思います。

「関係性のズレ」に着目する社会モデル


他者とうまく関われないなどのコミュニケーションに問題を抱える場合、その問題を自分の特性や性格に原因を求めることが多いかもしれません。

また生まれた背景や育てられ方、過去の他人との関りやトラウマなどにその原因を求めるケースもあります。

こういった原因を当人に求める従来の考え方にとらわれ過ぎず、新たな視点を見出すことができるのがこの「関係性のズレ」という社会モデルです。

コミュニケーションとはそもそも一人では行えるものではなく、他者がいて成り立ちます。

その他者との相互関係での問題になるため、相互関係によるすれ違いやズレに着目しようというのがこのモデルになります。

関係性に着目することにより、原因を自分だけに帰属させる世界から脱却させる効果があり、必要以上の自責や嫌な記憶の反芻などのネガティブな影響を自分に帰属させない効果をもたらせます。

そして心の余裕が生まれることにより、多少なりともコミュニケーションの改善に寄与することがあります。

また自分とのかかわりのある他者との相互関係を見直すことにより、自己理解や他者理解を進めてくれます。

相関図を書くことにより自分の関りの全体像を把握できることも大きな収穫となります。

全体の相関関係を知ることにより、何が必要か?どうすればいいのか?などのアイデアや打開策が生まれやすくなるかもしれません。

少し事例を踏まえて書いてみましょう。

関係性のズレの相関図を描く


相関図の一例です。(仮想です)

自分を中心にそれぞれの対象者との関りとそれぞれの要求を書いています。

それぞれにズレが生じていることがわかります。

ズレがあること自体は問題ではないことも多く、ズレがあって当然という理解もよりよい精神状態を作るうえで役に立ってくれます。

最初からこれだけの量はなかなか書けないかもしれません。自分の本当の要望がわからないことや相手の要望が分からない場合もあります。

そういったものは相手に聞き取りをしたり、カウンセリングの中である程度、推定していきます。

この事例では、ご主人との間で「もっとわかってほしい」要望を持っていますが、旦那さんも大変さを分かってほしいと要望しています。

子供との間では「もっと聞き分けがよくなってほしい」という要望がありますが、子供はもっと一緒に遊んでほしいし、かまってほしいという要望があります。

この家族の中では、夫婦ともども理解しあうことで要望が減り、子供に注目してあげる時間を創れるかもしれません。そのためには自分の「わかってほしい」をうまく扱うか、消化する必要があります。(簡単ではないことが多いですが。。。)

自分の父と母に気持ちが分かってほしいことや支援してほしいことを望んでいますが、親はこの苦難を自力で乗り越えてほしいと思っています。

その親の要望を知って憤りを感じることもあれば、逆に励みになることもあります。

昔の友人に話をしたいときもありますが、相手も忙しそうであるのと今は疎遠になっており、あまり話すことができません。しかしアクションはしていません。→アクションによって変動する可能性あり

会社では上司に気を使ってほしい要望があるが、上司は乗り越えてほしいと思っています。少し親との関係性に近いものを感じるかもしれません。

同僚とは愚痴を言える関係でありたいですが、迷惑だったり、嫌な気分にさせるのが嫌でなかなかそこまで話せないでいます。

習い事の友人や近所の知人などにも同じ要望や話がしたい要望を抱えています。

関係性のズレの相関図から読み解く(分析)


これを書いて本人は、自分が「わかってほしい」「気を使ってほしい」「愚痴を話したい」要望をたくさん持っていることに気付きます。

それは今までの人生において過去において、なかなか出会えない出来事であり、求めていたものでした。

それは子供のような要求でありながらも、ある意味夢のような体験でもありました。

その体験を求めてもなかなか難しかったことに気付き、わかっていたものの改めて深い自己理解に至りました。

そして相手の求めることへの不満が残りながらも相手が私に求めていたものが「乗り越えること」であることも知りました。

それが励みになる部分もありました。

しかし「わかってもらえる」体験をしたい要望をかなえたいと思いました。

それは誰がいいのか?を考えました。

自分が第三者やカウンセラーなどから「わかってもらえる」体験を得て、要望を消化してから関係性を再構築していくパターンもあれば、素直に相手に「聞いてほしい」「少しわかってもらえる時間が欲しい」と直接言うパターンが見つかりました。

そして決断は。。。。

と勝手に分析や解釈を書いてみましたが、これは仮想のお話。

また関係性のズレの描き方は人それぞれ。

空いた時間にA4の紙とペンがあればできます。

相関図を書くことで狭い視野から広い視野へ。

自分の気持ちばかりの世界から他者の気持ちも踏まえた世界へ。

少し視点が変われば見え方も変わることもあります。

もちろんこれだけで何も変わらないこともありますが、着眼点はとても重要な場面もあります。

私たちは細かなことにフォーカスできる能力を持ちましたが、その細やかさが時として苦しみを生みます。

少し視点を変えたいと思ったときにやってみてください。

少しでもお役に立てられれば幸いです。

カウンセラーと関係相関図を作る


関係性のズレの相関図を作りたいと思ってもなかなか描けない。

話しながら作っていきたい。

そういった場合にお役に立てます。

知らない第三者に話すことにより自己理解や分析にも役立ちます。

どこにズレが生じているのか?

この事例では簡略化しているところもありますので、そういった点も詳しく話し、理解を深められます。

ご興味があればご連絡ください。

記事執筆
公認心理師 白石

「皆様のお役に立つ情報を提供していきたいと思っています」

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