知っていると役に立つ心理学用語の「内在化(ないざいか)」と「外在化(がいざいか)」について説明をしていきます。

内在化(内面化)とは?


「内在化(英語:internalization)」とは、内面化とも呼ばれ、自分の心の中(パーソナリティ)に他者や社会の規準や価値などを取り入れて自分のものにするプロセスのことを指します。

子供は家族や周囲の人々から発達の過程でさまざまなルールや慣習、考え方などを取り入れて自分のものとして行動します。

親の価値観や考え方が子供に影響するのもこの内在化によるものです。

内在化(内面化)により共通認識が持つことができ、集団での目標達成が円滑に進むことができます。

内在化(内面化)が進むと他から受け入れられたものであったことを忘れ、あたかも自分の内から生まれたものとして感じてしまいます。

取り入れ(摂取)と同一化(同一視)

取り入れ・摂取(英語:introjection)は、他者の問題、性質、特徴などを自分のものだと錯覚したり、取り入れて真似る(モデリング)などのことを指します。

取り入れ(摂取)は他者が有する性質の一部にとどまりますが、同一化(同一視)は対象者の全面的な性質を取り入れ重ねていくような内在化という特徴があります。

ですので同一化(同一視)になると自分と対象者の区別がわからなくなることがあります。

自己呈示と内在化(内面化)

人間は他者とのかかわり合いの中で社会を形成しているため、他者に対して自分の見え方を気にしたり、見せ方をコントロールすることが多いものです。

自己呈示とはセルフ・プレゼンテーションとも呼ばれ、自分にとって望ましい印象を与えるための意図的な振る舞いのことを指します。

必要な能力でもあるかもしれませんが、魅力的な自分を演出するあまり、通常の自分との不一致を感じ、その不協和を解消するために呈示(ていじ)した自分に自己概念が変化することがあります。

このことを「自己呈示の内面化」といいます。

自己呈示とはどのようなものか紹介します。

①自分が社会的・規範的に価値が有るように振舞う「示範(exemplification)
②相手に好かれるためのご機嫌を取るような振る舞いの「取り入り(ingratiation)
③自分以上の能力や魅力、影響力があるように振舞う「自己宣伝(self-promotion)
④自分の強さ、権力があるように振舞う「威嚇(intimidation)
⑤自分が被害者的でかわいそうな同情に値するように振舞う「哀願(supplication)

上記のような自分を表現し、振舞っているうちに魅力的な自分でいなければいけないストレスを感じ、苦しむことが少なくありません。

自分の外にあるものを自分の内に取り込むのが内在化ですね

外在化とは?


外在化(externalization)とは、自分のこころの内で起こっていることが外界で起こっていると感じたり、考えたりする心理的プロセスを指します

妄想などがわかりやすい例で、嫌がらせをよく受けていると、事実は違ってもあの人もそうだ、この人もそうだと感じてしまったり、その考えを信じて防衛したくなるような心理的過程などがあります。

衝動、願望、葛藤、感情、思考などが外界に投影されます。

上記までの説明は防衛・適応機制としての外在化についてですが、一般的な外在化の意味としては、自分の心のうちにあるものを外に表現するときに用いられます

描かれた絵、仕草や動作などは外在化を表現するものであり、箱庭療法や一部心理検査はそういった外在化から内面を知る方法として臨床心理で用いられます。

自分の内にあるものを自分の外にあると思ってしまうのが外在化ですね

技法としての「問題の外在化」

心理療法の技法としての外在化はまた異なった意味で用いられます。

問題の外在化とは、クライエントの問題を本人自身の問題として考えるのではなく、問題を切り離して自分の外部に設定することで解決を試みるテクニックです。

自分の外部に設定するので客観的に捉えやすくなったり、不必要な自責を軽減させることにつながります。

人間が悪いというよりは、問題が悪いんだという視点により解決のハードルが軽減されることがあります。

例えば、「自分が悪いのではなく病気が悪いんです。」「幽霊のせい」「遺伝子が悪さをした」「なまけ虫がいるから」といったことなどが挙げられます。

技法としての「問題の外在化」は、自己否定感情が強いケースに有用な場合が多いと考えられます。

終わりに


内在化と外在化は、一般的な意味で用いられる場合と心理学的に用いられる場合によって多少意味が異なることも多いのでわかりにくいところがあるかもしれません。

心理学での「内在化」と「外在化」を知ることにより、何かしらのお役に立てられれば幸いです。

ご拝読ありがとうございました。

■参考文献・サイト

ブリタニカ国際大百科辞典

自己呈示行動 – Es Discovery