過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。
ここではゴードン・H・バウアーと「気分一致効果」について書いていきたいと思います。
ゴードン・H・バウアーについて
ゴードン・H・バウアー(Gordon H.Bower)は1932年アメリカのオハイオ州スキオの食料品店を営む父と教師である母のもとに生まれます。
高校時代は勉強よりも野球とジャズに関心を示していましたが、教師からジークムント・フロイトを知るようになり、心理の道を歩むようになります。
クリーブランドのケース・ウェスタン・リザーブ大学の心理学科を卒業し、イェール大学で博士号を取得します。
スタンフォード大学の心理学科で教壇に立ち、多くの記憶の研究から認知科学の発展に貢献し、アメリカ国家科学賞を受賞しています。
主著には、
1966、1975年「学習の理論」
1981年「ムードと記憶」
1991年「学習と動機付けの心理学」
などがあります。
気分一致効果
記憶の研究が進んできているこの時代にバウアーは、情動(感情)が記憶の影響をもたらすことに気づきます。
ようするに「気分に左右される検索機能」を私たちは持っているということです。
幸福な気分の時は、ポジティブな記憶が想起されやすくなり、不幸せな気分の時にはネガティブな記憶が想起されやすいこの効果を「気分一致効果」といいます。
また情動は評価に関係しており、気分が良い時は良い評価を行い、良くない気分の状態では良い評価を付けづらくなります。
気分や感情が事実や真実を歪めて解釈することができる発見となりましたが、のちの研究でパーソナリティ(性格など)や状況によってその効果が強い場合もあれば、その効果が逆に作用することも明らかになっています。※状況とは気分を変えたいという動機がある状況
最初の経験を通じて好悪服な人々は幸福な出来事の方を良く学習し、怒りっぽい人々は怒りを呼び覚ます出来事のほうをよく学習する
ゴードン・H・バウアー
参考文献
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか著
記事監修
公認心理師 白石
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