過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。

ここではエーリッヒ・フロムと「自分を誕生させる能力と愛」「Frommの性格類型」について書いていきたいと思います。

エーリッヒ・フロムについて


エーリッヒ・ゼーリヒマン・フロム(Erich Seligmann Fromm)

エーリッヒ・ゼーリヒマン・フロム(Erich Seligmann Fromm)は正統派ユダヤ教徒の両親の一人っ子としてドイツのフランクフルトに生まれました。

思慮深い青年フロムは、大学で社会主義理論や心理学を学び、学位を取得します。

1926年にフリーダ・ライヒマンと結婚し(※フロムは3度結婚します)、1931年にフランクフルト大学の精神分析研究所の講師となります。

ナチスが政権を掌握したのちにスイス、そしてニューヨークへと移住し、コロンビア大学で教壇に立ちます。

1933年頃からホーナイやサリヴァン、トンプソンらと「ゾディアック・クラブ」と呼ばれる意見交換会を行い、のちに「新フロイト派」の母体となります。

その後メキシコ国立自治大学、メキシコ心理分析研究所、ミシガン州立大学、ニューヨーク大学と80歳手前で亡くなるまで精力的に研究の発表と教壇に立ちました。

主著には、

1941年「自由からの逃走」
1947年「人間における自由」
1956年「愛するということ」

などがあります。

自分を誕生させる能力と愛


フロムは人生が喜びと充足の道を歩むか、満たされず争う事の多い道を進むのかは「自分の人生に意味を見出す能力」によって決まると考えました。

苦しみの多い人生においてそのような意味付けができることで「人間に授けられている人生への愛」を育んでいけるといいます。

人間は知性を持つことで自然と自分を分離することに気づき、孤独と絶望を感じる基礎を持った。

であるからこそ集団に属さない場合にこのうえない耐え難い気持ちになり、他者や集団と一つになりたいという欲求が生まれます。

しかしフロムはその欲求に甘んじることなく、自分が独立した存在である感覚とその価値を見出す重要性を説きました。

そして人間の主要課題は、「自分を生み出す」ことにあると提言しました。

自分の中にある愛を育てるべきであり、なぜならその態度によって世界全体との関わりようが決定されるからだとしました。

愛の土台は「自主性」であり、自分と異なる個性を尊重することにあると考え、愛される自己になろうとすることは無益であり、自身を内部でしっかり立てる人しか何ものにも囚われず与え、愛することができる。

「自ら愛そうとせずに愛されようとすると失敗する」といった名言も残っており、現代でも生かされるような内容をこの時代に提唱しています。

またフロムはこのような格言を残しています。

自分を知ることは、人間的強さと幸福をもたらしてくれる根本的な命令のひとつだ。

エーリッヒ・フロム

Frommの性格類型


フロムは自分の責任から逃れ、人格的成長を妨げる非生産的な人格類型を示しました。

四つの非生産的人格類型と呼ばれ、

①受容型(ポジ:献身と受容、ネガ:現状維持、追従ばかり、選択できない)
②搾取型(ポジ:自信と主導権がある、ネガ:攻撃的で自己中心的)
③貯蔵型(ポジ:実用的で経済的、ネガ:欲深く差別主義的)
④市場型(ポジ:意欲的で自意識が高い、ネガ:御都合主義で薄情)

など4つの型とポジティブな捉え方とネガティブな捉え方がありますが、

⑤死姦型(破壊を追求し、病や死の話を好み、支配欲求に取り憑かれている)
⑥生産型(愛を通した世界との一体化ができるあるがままの仮面をつけない人間)

というヒトラーを代表とする「死姦型」とフロムが考える人間の理想の状態である「生産型」の2つも含めて「Frommの性格類型」と呼んだりします。

フロムは思想の自由を強調し、このような提唱から学術的だけではなく、一般大衆への影響ももたらしました。

参考文献

心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか

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