日本および世界には多くの心理療法があり、今では400種類以上もあると言われています。

心理的追求や勉強を行う者にとって、見落としていた点や陥っていたところに気づかせてくれることも多い心理療法「ブリーフセラピー」について説明していきたいと思います。

ブリーフセラピーとは何か?


ブリーフセラピー(英語:Brief Therapy)とは、比較的短期間で問題の解決を試みるアプローチで、問題や原因を掘り下げるよりも解決に至る道を効率的にみつけて実行する心理療法です。

ブリーフ(Brief)とは、「短時間の」「簡潔な」「手短な」という意味があります。

短期間とはどれくらいかはクライエントに応じて異なりますが、一般的には6~10回の面談で終了することが多いとされています。

精神科医であり、有名な催眠療法家でもあるミルトン・エリクソンによる「利用できるものはなんでも活用する」といった変幻自在なスタイルなどの技法や考え方、グレゴリー・ベイトソンのコミュニケーション論やシステム論がブリーフセラピーができるにあたってに大きな影響を与えています。

時間を要する心理療法が多い中、時間を効率的に用いる点や過去や原因に時間を費やすよりも今ある資源を活用していくといった実用的・効率的な視点が強調されています。

ブリーフセラピーの考え方として、

・原因や背景への注視よりも解決の糸口を探すことを重視する
・原因を個人とするより相互関係や相互作用とする
・性格を変えるのではなく、コミュニケーションパターンを変えること
・うまくいっていることを継続する
・うまくいっていないのであれば、今までと違うことを行う
・解決や改善に役立つリソース(資源)をみつける
・問題が資源になることも多い
・過去よりも未来に目を向ける
・例外から糸口を探す
・自他を責める機会をつくらない

といったことが特徴的です。

ブリーフセラピーには、悪循環を切っていく「MRIアプローチ」と良循環を拡張する「ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)」があります。

MRIアプローチとSFアプローチを同時に用いることで相乗効果を得られ、バランス感覚も良いように思います。

MRIアプローチ


MRIアプローチとは、Mental Research Instituteという研究所で用いられ、発展してきた家族療法や短期療法などをさします。

問題に焦点を当てて悪循環になっているコミュニケーションパターンを変えていくことで短期間で解決に向かわせるアプローチです。

そのアプローチは、直接的に悪循環を断ち切るアプローチ、間接的に断ち切るアプローチの2種類があります。

心理的なアプローチを行っていると問題にのめり込むことが多くなることがあり、「問題よりも解決志向へ」という流れがよく起こります。

しかし問題に焦点を当てなければ難しいこともあるため一概に規定できない。

ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)


ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)は日本語で「解決志向アプローチ」と訳し、BFTC(Brief Family Therapy Center)で発展してきた技法です。

問題ではなく、解決に焦点を当てることで解決や改善、良循環を拡張させるようなアプローチになります。

傾聴されながら労いや認められるといったコンプリメントが行われ、解決の糸口を探したり、問題が起こらない「例外」などの発見を行います。

「もし奇跡が起きたら、、、」という奇跡を想定したミラクルクエスチョン、対処方法に関するコーピングクエスチョン、数値化して達成度の尺度にするスケーリングクエスチョン、などの質問技法があります。

何が良くなったか?という点を注目していくアプローチです。

その他


他にも自然なトランスを用いる「エリクソンアプローチ」、問題の機能的な面を重視する「ストラティージックアプローチ」、ブリーフセラピーから発展していった神経言語プログラミング「NLP」や物語として解決していく「ナラティブセラピー」などもあります。

ブリーフセラピーを使ってみる


今ある問題や悩みにブリーフセラピーの一部質問技法を使ってみましょう。これは簡易的で、自分自身では的を得ない場合もありますので参考程度にしてください。

本格的なものはセッションで行いますのでお問い合わせください。

今ある問題や悩みはなんですか?

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解決したいことはなんですか?

A.__________________________

問題や悩みにつながるその対象や関係性には例外はないですか?

A.__________________________

うまくいかない方法は?

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うまくいく傾向があるものは?

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いつもうまくいく方法は?

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試していない方法は?

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その問題や悩みが全て解決したら何をします?何がしたい?どんな気分?

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それを実現した自分から今の自分にメッセージがあるとするなら?

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記事監修
公認心理師 白石

「皆様のお役に立つ情報を提供していきたいと思っています」

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