過去の心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。

ここではアブラハム・マズローと「人間性心理学」「自己実現理論(欲求段階説)」について書いていきたいと思います。

アブラハム・マズローについて


アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)

アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)は、1908年ニューヨークのブルックリンでアメリカに移住したユダヤ系ロシア人移民の貧困家庭の7人兄弟の長男として生まれます。

両親はマズローに期待をかけ、高校卒業後、ニューヨーク市立大学で法律を学ばせました。

両親からの干渉に逆らい、自分の人生を自分で選びたいと決心し、心理学の修士号と博士号を取得し、ニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教授の職につきます。

両親から反対されたものの、いとこのベルダ・グッドマンと結婚し、二人の子を授かります。

ウィスコンシン大学では、行動主義心理学者ハリー・ハーローのもとで働き、コロンビア大学ではアルフレッド・アドラーに師事しました。

1962年にヒューマニスティック心理学会を設立し、提唱する「人間性心理学」についての研究と普及に努められました。

行動主義心理学と精神分析学の二つの大きな学派に対する第3の心理学として台頭していきます。

有名なマズローの「欲求5段階説」や「自己実現」という言葉や概念は、心理学のみならず学問の枠を超えて広く知れ渡るようになります。

一方でこれらの着想は科学的根拠に欠けるものとして批判されることも多く、アカデミックでの世界の評価はあまり高くないものとして扱われるようになります。

しかしそれらの提唱は人間的なものとして今でも民間で親しまれているものも多く、著書や論文など100以上残っています。

主著には、

1943年「人間の動機付けの理論」
1954年「人間性の心理学ーモチベーションとパーソナリティ」
1962年「完全なる人間」

などがあります。

1969年には、LSDを用いて神秘体験を行うセラピーをしていたスタニスラフ・グロフとトランスパーソナル心理学会を設立します。

1970年に研究は未完のまま心臓発作で亡くなりました。

人間性心理学


人間性心理学は、ヒューマニスティック心理学とも呼ばれ、それまで主流であった精神分析や行動主義との間に生まれた第三の心理学としてマズローが提唱したところから始まります。

人間のポジティブな側面を強調した「自己実現」や「主体性」「創造性」などの概念を持ち、行動主義や精神分析では重視されなかった人間性を回復させる流れを作りました。

別の言い方をすれば、人間の正常で健康な側面を考えていく心理学です。

マズロー以外には、来談者中心療法のカール・ロジャース、ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズなどがいます。

現在では、ポジティブ心理学もこの人間性心理学の流れを汲んで発展しています。

自己実現理論(欲求段階説)


「人間は自分がなれると思ったものにならねばならない」

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」

といった言葉を残しているマズローが人間の欲求を階層化し、提唱しました。

これは有名な「マズローの欲求5段階説」としてピラミッド型で表現されます。

◯自己実現の欲求:自分がしたいこと、適していることをしたいという自己実現の欲求。

◯承認欲求:価値ある存在として認められたい、他者から尊敬されたいなどの低いレベルと自分で評価する、満たす、自立するなどの高いレベルがある。

◯社会的欲求(所属・愛):社会に必要とされている、他者から愛されていると感じたい欲求。

◯安全の欲求:命や肉体のみならず経済面、良い暮らしなども含まれる。

◯生理的欲求:最も主要な動機付けとなる

上に行くほど高次の欲求ではあるのですが、マズロー曰く「自分に適したことを行なっていないとそれ以外のどんな欲求が満たされていたも充足できず、満たされない」と語っています。

ようするに「自己実現の欲求」の重要性を訴えました。

またあまり有名ではありませんが、「欲求8階層」の階層表を紹介します。

下の欠乏欲求に4階層、上の成長欲求に4階層の計8階層になります。

少しスピリチュアル的発想も含まれていますが、着想として参考になることもあります。

マズローの欲求8階層(引用:心理学大辞典)

参考文献

心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか


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