心理学者・臨床家・研究者の人物像や提唱された内容から今に学べることは多くあります。
ここではJ・P・ギルフォード「知能と創造性」について書いていきたいと思います。
J・P・ギルフォードについて
J・P・ギルフォード(Joy Paul Guilford)は1897年アメリカのネブラスカ州の農場で生まれます。
際立った知能を示し、高校の時は首席総代で卒業しました。
軍隊に従軍して中断はしたもののネブラスカ大学とコーネル大学で心理学や哲学を学び、学士号と博士号を取得します。
1928年にネブラスカ大学で助教授となり、その後は南カルフォルニア大学(USC)で教壇に立っています。
性格はとてもシャイでありながら高潔さと寛大さを兼ね備え、家族を愛する男として有名であったようです。
因子分析法を用いて知能の研究と心理テストを開発しています。
主著には、
1936年「心理測定法」
1967年「人間の知能の本性」
などがあります。
知能と創造性
知能の計測に関する研究は1905年にアルフレッド・ビネとシモンによる「ビネーシモン式知能検査」によって大きく進展しました。
これによって知能指数である「IQ」が目安となり、約95%が平均スコアを出し、全人口の0.5%が天才レベルの145以上のスコアを回答しました。
しかしこのIQを用いた知能測定には「創造性」に欠陥があるとギルフォードは言います。
伝統的なIQ検査では単一の思考を用いた収束的思考が多く、様々な思考が拡散的に行われる創造性をそこに用いる術はないということです。
こうして1967年に「代案仕様テスト」が考案され、創造的思考や流暢さ、柔軟性、精密さが必要なテストを発表しました。
ギルフォードが考える「知能」とは、
①操作(記憶・認知・評価)
②内容(視覚的・聴覚的内容)
③産物
の3つの活動グループからなり、組み合わせによって100以上もの個性があります。
ギルフォードの原案に基づき、日本の矢田部達郎らによって作られた因子分析による人格検査が「矢田部=ギルフォード性格診断検査(YG検査)」です。
この検査は性格を12の特性にグラフ化することができ、視覚的にも字感覚的特徴を捉えやすくしているものです。
最後に創造性を大切にしたギルフォードの名言を紹介します。
決められた時間の中で多くのアイデアを出せるものは、人生においても多くのアイデアに恵まれる
J・P・ギルフォード(Joy Paul Guilford)
参考文献
心理学大図鑑 キャサリン・コーリンほか
記事監修
公認心理師 白石
「皆様のお役に立つ情報を提供していきたいと思っています」
全国どこからでも専門的なカウンセリングと心理療法を受けることができます。
電話番号:090-2862-4052
メール:mail@s-counseling.com