「やりたいことがわからない」と感じたり、悩んだりすることがあります。
やりたいことがわからない時、どのようなことを考えればいいのか?どういう点に気をつければいいのか、カウンセリングの有用性などについて説明と考察をしていきます。
もくじ
「やりたいことがわからない」と感じるとき
「やりたいことがわからない」と感じるのはどんな時でしょうか?さまざまなシチュエーションについてみていきます。
今までやってきたことが終わったとき
子供が成長して大学生として実家を離れたり、就職して子育てが終了した場合や仕事の引退・定年退職などがこの事例です。
今までやってきたことが急になくなるので、使っていた時間がすべて空きとなり、何かしないと時間を持て余すようなときに感じます。
またそのやってきたことに使命感ややりがい、生きがいを感じていたために、それらが急に失われたかのように感じてしまうことも要因としてあります。
達成した、目標を完遂した
目標を達成した、完遂したときにも「やりたいことってなんだろう?」と思うことがあります。
次の目標を定めることが良い場合もあれば、少しブレイクタイムを設けることが良い場合もあります。
失敗や挫折による諦め
いままで頑張ってやってきたにも関わらず、結果がでないことによる失敗や挫折によって諦めなければいけないことがあります。
そういった場合に改めて自分と自分が行いたいこと、行わなければいけないことなどを考えていくことが多いと思います。
そのため「自分は何がしたいのだろう?」と感じる機会が増えます。
自己啓発によるもの
「自分の魂が望んでいること」「自分の使命感に気づいてを生きましょう」「自分の奥底からやりたいと思うことをやりましょう」などのような情報によって「本当に自分がしたいことは何か?」「自分の魂が求めるものとは?」と考えるかたも増えてきているように感じます。
一方で「自分がしたいこと」がなくてはならないという強迫的な観念も生みやすく、「したいこと」を探すためにたくさんの時間と労力をかけて苦しむこともあるようです。
とても尊重される側面でもありますが、とらわれすぎて現実的に行うべきことがおろそかにならないように注意が必要なのかもしれません。
いままで自分のことを考えずに生きてきた
自分のことは二の次で、やるべきことに専念したり、人のために動いてきた方にとってふと「自分のしたいことってなんだろう?」「自分のしたいことってこんなことではない」といった思いが湧いてくることもあります。
そういった思いを汲みながら自分も大切にしていく時期に入るのかもしれません。
やりたいことがないといけないと思い込んでいる
やりたいことがあることは素晴らしいものですが、必ずしもそのようなものがなければならないと思い込むことによって苦悩することもあります。
またやりたいことは壮大でなければならないような大きな夢のような描き方がされて伝わることもあるため、おおきなものとして捉えがちになります。
小さなやりたいことは、毎日やられていることが多いと思います。
大きなやりたいことは、自分の人生をどう行きたいか?というところに深く関係していると思います。
やりたいことがある時期もあれば、なくなる時期もあるようで、そういった時期による違いも認識されることが必要な場合もあるかもしれません。
「やりたいこと」を明確化させる
「やりたいこと」という言葉は非常に抽象的でいろいろな意味に捉えることができるため、余計に悩ましくなるものです。
そのため明確化してみることも一つのアイデアとして活用できるかもしれません。
「やりたいことがわからない」という時に、あなたはどのようなやりたいことを探しているでしょうか?
・自分がしたい仕事がある?
・旅行したいところがある?
・自分の人生で実現したいこと?
・結婚相手?
・子供を産むこと?
・理想の家族をつくる?
・お金を稼いでしたいことがある?
・お金?権力?達成感?充足感?快楽?
・物理的なこと?精神的なこと?
・趣味の世界?
・魂的な世界?
・実は日々の美味しいごはん?
・実は日々のなにげない○○?
・やりたいことをみつけることをやりたい?
などいろいろあると思います。
小さなやりたいこともあれば大きなやりたいこともあります。
一番大切なこととして、ご自身が行いたと思うものであればそれが「やりたいこと」です。
ですので他人の目や他人からの批判を認識しながら考えているとなかなかでないこともあるかもしれません。
「大きなやりたいこと」に関しては、なかなか簡単に見つからないこともあります。
本来、大きなやりたいことがなければいけないということもありませんし、それがある人の方が優れているといったこともありません。
ですので「大きなやりたいこと」がわからないこともある、そんな時期もあるという認識はもっておかれることも大切かもしれません。
「自分の人生で何を実現させたいか?」という質問ででてくる答えが「自分の大きなやりたいこと」です。
逆に言えば、自分の死期が近づいている想定や想像をした時に「あれをやっておけばよかった」と思うものや「あれをやっておいてよかった」と思えるものでもあると思います。
やっていくとやるべきことがみえることも
やる気がない状態で始めても行動をしているとやる気が出てきて簡単に継続できる心理現象を「作業興奮」といいます。
あんまり興味のないことでもやっていくと興味ややる気が出てきて、達成感や報酬も得ながら次の目標が見えてきたりするものです。
「自分のやりたいこと」をみつけてそれをやっていくことばかりが「自分のやりたいこと」ではないということです。
今できることをやっていく、今やるべき仕事をしていくといった中でやりがいや生きがいをみつけ、「実は自分のしたかったことはこうだったんだ」と気づかれる方も多くいます。
様々な角度から考えると
より幅広い視点でみると、
・やりたいことを考えて行う
・やりたいことがわからなければそれでよしとする
・それでも「やりたいこと」探していく
・今やっていること・やらなければならないことに「やりたいこと」がある可能性がある
・やりたいことにこだわらない方が良い人生を歩める
・やりたいことに興味を持たない方が良い
・そんな発想すら必要ない
といったさまざまな方向性があることだけ提示しておきます。
やりたいことがわからない状態におけるカウンセリング
カウンセリングの良いところは、自分の心や頭の中で考えるものとは違い、アウトプットをしながらその内容から気づきを得られたり、共感的・受容的態度に見守られながら自分のペースで話したいことを話していけることにあります。
そのため自分の中では「わからなかった」ものがいろいろな理解とともに「わかる」という形に変わることも多いものです。
「やりたいことがわからない」という状態は、本心や本音で「やりたい」と思うことが見えなかったり、わからなくなったり、わからない状態になっているということを表すことが多いかもしれません。
今までやっていたことが何かの拍子で価値が見出せなくなったりすることによってもこのような気持ちが湧いてきます。
「やりたいこと」というのは非常に抽象的で、人によって異なる解釈もあるのでなかなか説明できるものではありません。
そのためカウンセリングのようなアドバイスだけでなく黒子のようになって相談されるクライエントを中心に添えたセッションが役に立ちます。
ご自身の理解や「やりたいこと」を改めて考えたいときにぜひご利用されてみてください。
ご自身の中で考えいくことや友人への相談とは違う形で自分を理解していくことができると思います。
記事監修
公認心理師 白石
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