不条理で理不尽なストレスは日常に多くあると感じる方も多いかもしれません。
そんなストレスによって苦しみ、ときに精神や身体に異常をきたすこともあるかもしれません。
本当に毎日大変な状態の中、頑張っている方も多くいらっしゃるように感じます。
不条理で理不尽なストレスに対して私たちはどのように捉え、付き合っていくことが有用なのか、そしてカウンセリングでできることについて書いていきます。
もくじ
不条理で理不尽なストレスとは何か?
不条理という言葉は、物事の筋道や社会通念などのことわりである「条理」が通らない、通じない(不の状態)のことを指します。
「普通ならこうでしょ」ということにならない状態であり、非常に不快で滑稽な気分にさせられます。
不合理や不協和とも言われることもあり、不調和的な事柄をよく指します。
似た様な言葉で「理不尽」という表現がありますが、偶発的に巻き込まれるのが「不条理」、何者かの意図的な悪意や意図で巻き込まれるのが「理不尽」という使い方がされるようです。
どちらにしても非常に高ストレス状態を受けやすいものです。
現代の動きとしては〇〇ハラスメントという言葉が増え、不条理さや理不尽さを世の中から減らそうという動きが顕著になってきています。
年齢が若い人ほど知らないことも多いかもしれませんが、昔の不条理さや理不尽さは今よりもっと強く、命も投げ出さなければいけないような時代も長くありました。
しかしその当時はそれが当たり前として受け入れる必要があったためそれはその時代での文化や美徳としてあったりすることもあります。
時代によって何が不条理で理不尽かが異なるということです。
昔は当たり前だったけど、今では良くないもの、理不尽なものとして扱われることが「時代の性」なのかもしれません。
時代だけではなく、人それぞれ何が不条理と感じ、理不尽だと感じてしまうかは「個人差」もあります。
ある程度、社会通念やモラルなどの共通理解はあるものの、強くストレスを感じてしまう人もいれば、「そういうものでしょう」と割り切る人もいます。
そしておそらく、強くストレスを感じる人が多数決的に多ければ、そしてその被害が大きければ変革せざるを得ない、変革するべく動き出し、時代を更新していくのだと思います。
しかしながら不条理さや理不尽さは見出せば、山のように探すことができるのも特徴的です。
私たちはどのように付き合い、どのように捉えて生きていくのが得策なのでしょうか?
不条理さと理不尽さとの付き合いと扱い方
近年、人間の心理を重要視する流れもあり、ストレスに対して敏感になってきている時代であると言えます。
会社でもストレスチェックの義務付け、心療内科や精神科が増え、カウンセラーが活躍する場面も増えてきています。
不条理さと理不尽さとどのように付き合い、扱えばばいいのか書いていきたいのですが、人により異なり、時期により異なり、その内容により異なり、一言で言えるような正解はないことが多いかもしれません。
例えば、理不尽さでストレスを感じることで、その状態を見て相手が考え直すきっかけになることもあれば、ストレスを感じても相手は全くもって変わらないどころか益々事態が悪化することもあります。
不条理だと訴えて会社や家族、世の中が変化していくこともあれば、訴えても何も変わらないどころか変人扱いを受ける場合もあります。(それでも声を上げ続けて奇跡的変化が起きることもあります)
このようにどのような内容や状況かによって異なりますが、大切なことの一つとしてそれは「変化・変革できるものか?」を考えてみることです。
変化や変革が期待できればストレスとして受け止めていくことは有用かもしれませんし、訴えていくことで期待できるものもあります。
しかしそれらが求められないであろう状況であれば、次の策が必要になります。
なぜならその変わらない世界の中で高ストレスを慢性的に受け続けることはデメリットでしかないからです。
その策というのは、転職や離婚、引っ越しなどその場を変えるような行動が考えられますが、それが功を奏す場合もあれば、どこへ行っても同じようなストレスがあることもあります。
この辺りは慎重に検討しなければいけません。
そこでできることとして心理的なアプローチがあります。
それは不条理や理不尽さを「受け入れる」ことや「慣れていく」という作業です。
少しの違和感でも不条理さや理不尽さを感じる場合、毎日がストレスで多くを占めてしまいかねません。
それは本人にとって非常に苦しいものであり、なかなか周囲から理解されないケースもあります。
人間は、フォーカスする先、関心を持つ方向性によって非常に大きな影響を受けやすいものです。
そういった不条理や理不尽さを探そうと思えば多くあり、過去も含めて見て行くと非常に多くの体験をしています。
また自分の想定や推論とは異なることが「不条理」「理不尽」という知覚を導いてしまう特性があるため自分の想定を見直して行くことで非常に有益な技法となってくれます。
例えば自分の想定している現代社会です。
理不尽も不条理もない社会を想定しているのであれば、非常に良い理想とは言えますが、理不尽さと不条理を強く感じやすく、ストレスが多くなってしまうこともあります。
逆にそのような理想を持っていても、まだ理不尽も不条理もたくさんあるものである程度仕方ない社会を想定しているとその「ある程度の許容範囲」を獲得できます。
この辺りも個人差があるのでなんとも言えないですが、自分にとってちょうど良い「受け入れ」を行って行くことで生きやすさやストレスレスな生活を期待できるかもしれません。
人間の不思議な力として「慣れ」があります。
心理学的には「馴化(じゅんか)」と言ったりしますが、人間は慣れて行くことで神経系や脳の状態も変化していく機能を持っています。
不条理さや理不尽さもこの「慣れ(馴化)」を用いることでストレスのレベルを下げることができます。
簡単に言えば不条理さや理不尽さから逃げすぎず、たくさん場数を踏んで、慣れていくことです。
「修羅場を多く経験している人は強い」というような言葉がありますが、まさしくそれでしょう。
今までそのような経験を避けていても、このような理解をした後で場数を踏んで行っても遅くはありません。
ただあまりに無謀で限界を超えるようなものでは難しいことも多く、自分の気持ちも重要になります。
「そうやって生きていこう」などのように思えておらず、自分が求めていないにも関わらず行動をとってもうまくいかないこともあります。
ですので自分に合わせたちょうど良い塩梅を見つけることも大切です。
不条理さと理不尽さに対する反応
不条理な出来事や理不尽な出来事に遭遇したときにあなたはどのような反応をしますでしょうか?
- 自分の中でストレスとして持ち込む(短期的?持続的?)
- 反論する、文句を言う
- 喧嘩する、罵倒する
- 忘れるようにする
- 流す術を持っている
- 受け入れる
- 仕方ないと諦める
- 自分なりの方法を持っている
- 好きな〇〇(趣味など)に走る
- 薬を飲む
- 気晴らしをする
- 寝る
- 自分が病気になって無意識的に訴求する
- 落ち込む、苦しむ
など多くの方法があるかもしれません。
これらの術(すべ)が自分の反応や解決法としてうまく運用されていればいいのですが、この中には慢性的に苦しんでしまう反応もあります。
この反応や術を増やしたり、見直したり、勇気を持って行動することが増えればそれだけ不条理さや理不尽さのストレスに苦しめられることが低減されるかもしれません。
ストレスとの関係性
自分が今感じている理不尽さや不条理さがある状態であれば、それはストレスです。
自分な中で処理したり、何かをして解消したり、解決する方向へ持って行ったり、周囲に相談したり、カウンセリングを用いたりされます。
自分が考える「ストレスの範囲」はそのまま「不条理と理不尽さの範囲」を決めて行く関係性を持ちます。
ストレスと感じるものが多ければ、それは理不尽さと不条理さを多くしてしまうということです。
このことを理解しておくことで多くの矛盾を回避することもできます。
カウンセリングなどを用いることによってストレスの軽減や解消、解決に導くことができる反面、ストレスや不条理さ、理不尽さに弱くなってしまうこともあるからです。
この辺りを理解されているカウンセラーさんや相談者さんと出会えることが非常に良いと思います。
ストレスを減らしていこうという中で、快楽主義的傾向が強くなり、ストレスに弱くなるということも良く起きるからです。
※しかしながら高ストレス状態であればこのような視点や解釈の変更はその時点ではあまり意味を成さないこともあります。
不条理なストレスと理不尽なストレスに対するカウンセリング
「カウンセリングしらいし」では不条理さや理不尽さに対するカウンセリングを行っております。
今ある自分のストレスや悩みを相談するにあたって多角的な視点で一緒に考えていきます。
・まずは人に話すことで全体像が観え、気持ちに変化が出たり、気づきが出る
・感情を出すことによって得られるもの
・不条理さや理不尽さに対する反論や訴えを出す
・自分の捉え方や解釈に気づける
・自分の中での処理の仕方と変革
・相手に表現する方法の問題
・相手に訴えると伝わりやすい方法
・自分なりの受け入れ方と許容範囲の設定
・解決方法の模索と行動
・この機会をチャンスとして捉える
・気晴らしや解消法を増やす
・自分と改めて向き合ういい機会にする
・ストレスに対しての向き合い方や捉え方の変革
・人の温かさに触れる
・補給する
・自分持つ資源と周囲にある資源を活用する
など様々な方向から最善なカウンセリングを提供していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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記事監修
公認心理師 白石
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