このページでは、「心理」と「行動」のバランス感覚について簡単に書いていきたいと思います。

「心理」と「行動」とは何か?


心理とは一般的に言う「こころ」で、行動はそのまま「行動」ですよね。

そんな当たり前のことですが、

  • 悩みが多かったり
  • 心理に興味があったり
  • 考えることが多かったり
  • 気にすることが多かったり
  • 現実がうまくいってなかったり

することによって「心理」の比重が非常に強くなることがあります。

その比重でもその方の人生がうまくいっていればいいのですが、悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

  • ストレスを強く感じてしまう
  • 心理や精神世界に入り浸ってしまう
  • 行動が減ってしまう
  • 心理の力で何でもできると過信してしまう
  • 身体行動が減ることによる身体的影響
  • 心理的な過負担による身体的影響

などです。

では「行動」が大切だ!と振り切って行動することも今の時代ではよいかもしれません。

現代では、考えることが増えて、考えられる時間も増え、考えられる思想も増えてきました。

その分思考しやすい時代になってきています。

思考で遊べる時代でもあるかもしれません。

しかし落とし穴もあります。

わたしも心理的な実験を自分で行いましたが、危険な目にもたくさんあいました。

心理学やいろいろな思想を勉強し過ぎて統合性を失調してしまう手前までやりこんだことがあります。

いまではそれも一つの経験としてとらえられますが、やはりバランス感覚が大事であることを痛感させられました。

「こころ」と「行動」どっちが大切?


こういう文章はよく見かけます。

しかし答えを一つに絞ることで失うことも多くあります。

相手に求めるのはお金?愛?といった質問と同義ですね。

こころも大事だし、行動も大事。

ひとによってそのバランスは違うと思います。

そして「答え」としてはつまらないものです。

しかしそれが現実的な答えでもあるかもしれません。

ある人は心理15%行動85%がちょうどよい。

ある人は心理5%行動95%がちょうどよい。

ある人はそこにぼーっとする無行動、無心理の時間が5%必要。

など様々だと思います。

自分はどれくらい心理活動をしていて、行動活動しているでしょうか?

先ほど書いた「ぼーっとする時間」はその両活動を休ませる時間でもありますが、とれていますか?必要ないですか?

さてこれは「量」の話です。

「質」の観点でいくと、どのような心理活動を行うかが重要になります。

  • 思考が落ち着いていて安定した思考ができている状態
  • ネガティブな気分で落ち込んだりすることが多い状態
  • 心理的ストレスが多くて押しつぶされそうな状態
  • 気を使いすぎてしんどくなる状態
  • 楽しい思考が多い状態
  • 仕事や勉強のことを思考している状態
  • ひとのことを考えている状態
  • 空想にふける状態

いろいろあると思います。

そして一日のうちにいろいろな心理的な活動を行っています。

できるだけ、

  • 楽しい
  • ポジティブ
  • うれしい
  • 興味そそられる
  • 安定した
  • 気が軽い
  • 面白い

気分や状態、思考ができる時間が増えるといいですね。

そのためには悩みをうまく受け入れたり、解決のための行動を行ったり、自分にちょうど良い思考を模索することが大切です。

習慣的には神経可塑性の影響もあるので、普段使いやすい思考パターンが心理活動に染み付きやすくなります。

このホームページにはいろいろな受け入れ方や考え方を記載していますのでご覧いただき、うまく取り入れられるものがあればいいですね。

心理学は、「心理」だけを学ぶ学問ではありません。

心理学は、「心理」と「行動」の両面に着目した学問です。

そのため「心理」や「行動」それぞれに特化したテクニックや分野があり、またそれを併せ持つ「認知行動療法(CBT)」なども発展して出てきています。

ストレスを訴える時代


ストレスに敏感になってきている時代です。

少し前まで「24時間戦えますか?」というCMがあったほど過酷な労働環境がありました。

もう少し前は戦争があったり、食料難があったり、生きるか死ぬかを考える日々もありました。

そういった過去の歴史からいうと非常に「安全」で「楽」な時代に生きているのにもかかわらず、なぜ私たちは「ストレス」を気にするのでしょうか?

その答えはわかりませんが、私の中で推測していることがあります。

それは権利の平等性だと思っています。

支配する側とされる側といった世界から雇用する側とされる側の世界に代わってきました。

そこから時代はできるだけ人の権利を大切にした世界観を求めてきているように感じます。

いろいろな性の問題でもそうですよね。

ということは以前であれば「仕方ないか」として諦めていたものが「仕方なくない」というものになるのでストレスフォルダーにはいるのではないでしょうか?

以前であれば残業が多くて当たり前だったが、周囲の会社は残業がないのになぜうちは。。。とストレスに感じる。

パワハラはダメな時代なのにこの人は。。。

といったようにストレスに感じるものが増えてきています。

しかしそのストレスによって、不満を表に出し、改善してもらうように訴え、権利を主張してきました。

そのおかげで中立性や平等性はここまで発展してきたのだと思います。

ストレスに敏感になっている時代、裏を返せば、権利を訴えたいことがまだあるということではないでしょうか。

しかしここでも落とし穴があります。

行き過ぎてしまうことでみえなくなるものもあるかもしれません。

ストレスに注目するとストレスが多くなる


これです。

人間の脳はそのようにできています。

一日にフォーカスできるものには限られています。

ストレスにフォーカスする時間が長ければそのストレスに当たっている時間は増えます。

その悪影響を受けます。

まるでゴミ箱に顔を突っ込むようなことを長時間してしまう場合もあります。

もちろん解決できるものや気にしないといけないストレスもあります。

しかし解決できない、ごみ収集車がくるまでふたを閉めて保存しておかないといけないようなものもあるでしょう。

ストレスに敏感であればストレスを多く感じてしまいます。

それが性格的な特性な方もいると思いますが、それを自分で強めている場合も多くあります。

ストレスを気にしていた方が、この原理的な理解をして、その世界から脱し、ストレス感度が普通に戻っていくケースもセッションでたくさん見てきました。

権利を訴えるために感度を高くしているのか?

そのすべてに感度を高くしていいのか?

本当にそこに注目すべきか?

どれくらいのバランスがいいのか?

考える機会になれば幸いです。

なおそこから脱する方法は、考えないようにするといった方向もありますが、

  • 悩みやその原点に向き合う
  • 行動を多くする
  • 人生で求めるものを再設計する
  • 思想的な見直し

といった方向からもアプローチできます。

皆様の人生にとってその心理と行動のバランスがちょうどよい塩梅になりますように願っております。

記事監修
公認心理師 白石

「皆様のお役に立つ情報を提供していきたいと思っています」

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