行動モメンタムという言葉を聞いたことはありますか?

この記事では「行動モメンタム」について簡潔に書いていきたいと思います。

行動モメンタムとは何か?


行動モメンタム(英語:Behavioral momentum)とは、指示に応じることができない児童に対して、簡単で応じやすい行動を促すと、行動に勢いがつき、応じられなかった行動の成功率や克服率が上がることを指します。

もともとの研究での応じやすい簡単な行動とは、タッチやハグ、握手などの行動です。

これは子育てや教育、療育の現場では非常に重要な原理であり、対象の方にとって有益な技法になります。

  • 指示に応じやすい
  • 行いやすい
  • 簡単な
  • 得意な
  • 慣らし運転になるような

行動を先に行うことで勢いがつき、

  • 指示に従いにくい
  • 行いにくい
  • 難しい
  • 苦手な

行動を行いやすくすることができます。

苦手意識が働くものでは、得意なものを行って徐々に自信や気持ちを高く維持したのちに「できるかもしれない」という感覚がサポートとなり、苦手なことを克服したりすることにも役立ちます。

応用行動分析(ABA)などの療育や子育てなどでこの「行動モメンタム」をよく用います。

子育てや教育に応用していくと子供の伸び代を伸ばしてくれる非常に役立つ方法です。

療育の現場では既に習得していることをあえて課題に組み込み、目的の課題が達成しやすいように設計することもあります。

この行動モメンタムは、とてもシンプルでありながら応用が多種多様にできるものです。

自分自身に行動モメンタムを設計する


療育や教育、子育てを行う対象の子供によく用いられる「行動モメンタム」ですが、もちろん自分自身にも適応することができます。

それはスケジューリングや行動する前に「勢いをつける行動を行う設定」をすることです。

どんな簡単な動作や行動でも良いのですが、「勢いがつく」というのが重要です。

それは自転車の最初の重苦しいペダルのようなものでもいいですし、楽しくて笑ってしまうものでもいいのです。

またその行動は自分ひとりでできるものでもいいですし、家族や恋人との間で行われるものでもいいですよ。

これはトライアンドエラーになることが多いと思いますが、自分の毎日のスケジュールのちょっとして隙間に勢いをつける行動モメンタムをぜひ入れ込んでみてください。

遊び感覚のような楽しむような気分でやっていくと良さそうですね。

記事監修
公認心理師 白石

「皆様のお役に立つ情報を提供していきたいと思っています」

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